なでしこジャパンは最終節のチリ女子代表戦で今大会初勝利を収め、グループEを3位で辛くも決勝トーナメント進出を決めた。準々…

なでしこジャパンは最終節のチリ女子代表戦で今大会初勝利を収め、グループEを3位で辛くも決勝トーナメント進出を決めた。準々決勝のスウェーデン女子代表戦を前に、グループステージでの戦いを振り返ってみる。

◆定義しづらい『なでしこらしさ』

そもそも『なでしこらしさ』とはなにか。ボールを保持してパスワークで相手を攻略することか、しぶとく粘って少ないチャンスをモノにすることか。

FIFAランキングは日本が10位で、上位に位置するカナダ(8位)、イギリス(イングランドが6位)には自由なポゼッションを許してもらえず、下位のチリ戦(37位)でようやく意図通りにボールを扱うことができた。パススピードやキックの飛距離も強豪国と比べると、見劣りしていると言わざるを得ない。ならば、どの相手に対してもコンパクトな陣形を保ってショートパスで前進できているかと問われればノーだろう。強豪国相手ではプレッシャーに負けて逃げのパスが増えている印象だ。

そもそも、強度の高い相手と親善試合でマッチメイクできたのは、直前のオーストラリア女子代表戦(9位)だけ。その試合でも効果的な縦パスが入らず、攻撃は停滞気味で奪ったゴールはPKの1点のみ。ランキング上位の相手に対しては、効果的なパスワークを発揮できず、ボックス外からのミドルシュートが主になった。当然ゴールの確率は下がり、パワーで劣る日本にとって妙手とは言えない。

◆フィジカル強度はエリアによるか

中盤のデュエルも圧倒されることが多く、セカンドボールを回収できずに波状攻撃につなげられなかった。その中でも光っていたのは林穂之香のアグレッシブさか。スウェーデンのAIKフットボールでの経験は間違いなく生きているだろう。出場の2試合ではチームに推進力をもたらしていたため、下げる時間が早過ぎるような気もした。

対照的にこれまで中盤を支えてきた中島依美のパフォーマンスがピリッとせず、いずれの失点にも絡んでしまった。スタミナやキック精度が持ち味だが、ここまではそれを発揮できずにいる。

また、記録上、枠内に浴びたシュート数はカナダ戦が1本、イギリス戦が2本、チリ戦が0本となっている。クロスバーやポストに当たったシュートは枠内扱いにはならないが、それを入れれば数はもう少し増えるだろう。

ただ、どの試合も決定的なピンチは少なかったが、それを防げたか、防げなかったかが勝敗に直結した。イギリス戦では警戒していた中で、1つのチャンスを生かされて敗れた。チリ戦では“疑惑の判定”とも言われたが、クロスバーに当たったゴールは形としては完璧にやられていたが、ゴールにはならず。結果、1-0で勝利して突破をつかんだ。

いずれの試合もボックスに侵入される回数は多かったものの、中央でセンターバックが対応できれば大きな破綻はしていない。チリ戦でのあわやの場面は、清水梨紗が絞って対応し競り負ける結果となり、サイドの選手が競り合うと不利を被る悪い例になってしまったが、課題が出たという点ではプラスと言っても良いかもしれない。