かつて恩師に打ち明けた「落ちちゃうんでいっぱい食べてます」 東京五輪柔道競技2日目(25日、東京・日本武道館)、女子52キロ級の阿部詩(日体大)が、兄で男子66キロ級の阿部一二三(パーク24)とともに日本柔道兄妹金メダル獲得の偉業を成し遂げ…

かつて恩師に打ち明けた「落ちちゃうんでいっぱい食べてます」

 東京五輪柔道競技2日目(25日、東京・日本武道館)、女子52キロ級の阿部詩(日体大)が、兄で男子66キロ級の阿部一二三(パーク24)とともに日本柔道兄妹金メダル獲得の偉業を成し遂げた。

 兵庫・夙川学院中高時代は体重が詩の悩みのタネだった。

 6年間、詩を指導した垣田恵佑氏(現・佐久長聖高校柔道部監督代行)は「体重が足りない子だったんですよ。ずっと。今もあるかと言ったらそんなにない。中学生のときは本当に足りなくて、全中(全国中学校柔道大会)で優勝したとき、試合が終わって体重計に乗ったら49キロだった。52キロの選手が減量なしで52キロぴったりで体重計乗ってましたから。ありえないですね」と驚きを交えて語る。

 52キロ級の選手は通常、58キロ前後から減量するのが一般的。しかし、詩の場合は、もともとが減量する必要がないくらいの体重だった。

 それを気にしたのは指導者だけではなかった。詩は高校までは実家から通っていた。体重の心配をした親と、たびたびケンカすることもあったという。

「家庭も意識が高かった。よくケンカしてたみたいです。お父さんさんと詩で。『なんで食べへんねん!』みたいな。体重が足りないから食べさせようとする。けど、詩は食べれないって言う。もっと体重を増やさなければダメだっていう考えのもと、お父さんとお母さんが一生懸命、やられたと思います」

 7月に入り、佐久長聖高に出稽古に訪れた詩は、体重について「落ちちゃうんでいっぱい食べてます」と打ち明けた。減量苦でヘロヘロになるようなこととは無縁で、理想的な体質でもある。ただ、五輪に向け、練習で追い込めば追い込むほど、体重が気になっていた。「校長先生にお店連れていってもらって、食事したんですけど、バッカバカ食べてましたね」(垣田氏)

 家族の支えは最後まで続いた。兵庫から母・愛さんが上京し、食事面をサポート。詩は食との闘いも制した。(THE ANSWER編集部)