柔道・男子60キロ級決勝で高藤直寿(28)=パーク24=が楊勇緯(台湾)を破り、日本選手団の金メダル第1号を獲得した。決勝で楊勇緯(台湾)をゴールデンスコア方式の延長戦の末破り、悲願の金メダルを獲得した。 ・今すぐ読みたい→北京…

 柔道・男子60キロ級決勝で高藤直寿(28)=パーク24=が楊勇緯(台湾)を破り、日本選手団の金メダル第1号を獲得した。決勝で楊勇緯(台湾)をゴールデンスコア方式の延長戦の末破り、悲願の金メダルを獲得した。

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北京五輪代表・川崎宗則が語る短期決戦の戦い方と日の丸のプレッシャー・・・「『金メダル期待してるよ』とは言わない」 https://cocokara-next.com/athlete_celeb/munenorikawasaki-samurai-japan/



 泥くさく金メダルにたどりついた。初戦こそ内股で一本勝ちを飾ったが、準々決勝、準決勝とも厳しい戦いが続いた。決勝も一進一退の攻防でゴールデンスコア方式の延長戦に突入したが、最後は相手の3つ目の指導を引き出して、勝ち名乗りを受けた。

 男泣きだった。「今まで応援してくださって、ありがとうございます!」とテレビインタビューで声をふるわせた高藤。一本勝ちのような分かりやすい勝利ではなかったことに「絶対にテレビで見ている人はわからないだろうな」と苦笑。それでも価値ある金メダルにたどり着き「豪快に勝つことはできなかったけど、でもあれが僕です」と胸を張ってみせた。リオ五輪は銅メダルに終わった。実力の高さは以前から認められながら、ムラがあるところが課題とされていた。過去には、度重なる遅刻で、強化指定の降格処分を受けたこともあった。

 そんな高藤の意識を変えたのは、同じ年のスーパーアスリート・ボクシングWBA・IBFバンタム級統一王者・井上尚弥(大橋)の存在だった。以前から交流があり、2017年には大橋ジムで合同トレーニングを敢行。練習に真摯に取り組む姿勢にも刺激を受けたが、自身に特に影響を与えたのは食事法だった。

 ボクサーとして常日頃からストイックに食事をコントロールする姿を見聞きしたことで、食事に対する意識が一変。同じ階級別の競技とあって、高藤も以前から体重コントロールには苦しんでいたが、井上のコツコツと取り組む姿勢を見たことで、以降は栄養士にも相談しながら、栄養バランスを摂りながら効率よく体重を落とす方法を模索するように。以前は食事に制限はかけずに直前に体重を落とす方式だったが、計画的に体重を落とせるになったことで体への負担も軽減。金メダルボディに結びつけた。

 この階級を制するのは野村忠宏が1996年アトランタから04年アテネまで五輪3連覇して以来で、4大会ぶりに王座奪還に成功。競泳や体操などの注目競技で日本のエースが次々と敗れる波乱の幕開けの中で、お家芸の柔道で金メダル1号となり、日本中に明るい話題を届けた。自他共に認める目立ちたがりや。リオ五輪の銅メダル獲得後は、アスリートとして注目を集めずに悔しい思いもしたが、堂々の主役に躍り出た。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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