支配下登録を目指し、必死に汗を流している。ソフトバンクの背番号140、曽根海成内野手。9日の日本ハムとのオープン戦。今宮健太に代わって、8回の守備からショートに入ると、その裏の攻撃で強烈なアピールに成功した。■育成で唯一1軍帯同の曽根、高評…

支配下登録を目指し、必死に汗を流している。ソフトバンクの背番号140、曽根海成内野手。9日の日本ハムとのオープン戦。今宮健太に代わって、8回の守備からショートに入ると、その裏の攻撃で強烈なアピールに成功した。

■育成で唯一1軍帯同の曽根、高評価の守備に加え「打」でもアピール

 支配下登録を目指し、必死に汗を流している。ソフトバンクの背番号140、曽根海成内野手。9日の日本ハムとのオープン戦。今宮健太に代わって、8回の守備からショートに入ると、その裏の攻撃で強烈なアピールに成功した。

 2死二塁のチャンスで、オープン戦で初の打席に入る。初球、スライダーを空振り。「スライダーを意識して振ったら、当たってくれました」。

 真ん中へ入ってきた同じスライダーをジャストミートした。快音を残した打球は、やや前目に守備位置を取っていたセンターの頭上を越えた。50メートル5秒台の俊足を飛ばし、一気に三塁へ。オープン戦初打席で、中越えの適時三塁打を放った。

 大阪市出身の21歳。京都国際高を経て、13年の育成ドラフト3位でソフトバンクに加入した曽根。4年目となる今季に向け、オフは今宮健太が行う北九州での自主トレに自ら願い出て参加し、球界屈指の遊撃手に師事した。

■「僕には時間がない」―、支配下つかめるか

 宮崎キャンプでも、育成選手ながら、主力組の集うA組に抜擢され、オープン戦でも育成選手でただ一人、ここまで1軍に帯同している。オープン戦では守備での起用ばかりだったが、巡ってきたチャンスでいきなり結果を残し、これには工藤公康監督も「良かったね。守備は今宮くんの守備に近いものがある。積極性もあるし、思い切りもいい。走力もある」と評価した。

「(三塁ベースコーチの)村松さんに止められましたけど、本塁を狙いたかった。僕には時間がないので、そこまでしてでもアピールしたかった」と振り返る曽根。育成契約のままならば、もちろん開幕1軍の座は狙えない。何としても、支配下に、との思いは強い。

「まだ1軍レベルではない。ただ、上でもやれるかなという自信は出てきました。1日でも早く支配下に登録されたい」。貪欲に上を目指す姿勢は崩さない。チームには釜元豪、甲斐拓也、そして、共に自主トレを行なった牧原大成と、育成から支配下へと成長した野手も多い。開幕まで残り3週間。夢だった支配下を掴む可能性が、十二分に膨らんできている。

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani