東京オリンピック本番。サッカーは7月21日に女子のなでしこジャパン、22日に男子のU―24五輪代表が緒戦を迎える。最後…
■「前からのプレスは日本の生命線」
―これで強化試合も終わって、いよいよ五輪本大会です。7月22日の南アフリカ戦、25日のメキシコ戦と続きますが、この2試合でグループリーグ突破を決めたいところですね。
後藤「もちろん、それが一番良いよ。2試合で予選突破を決めて、3試合目で休ませて。トーナメントの準々決勝は大した相手に当たらないから、そこでベストメンバーを組めば、間違いなくベスト4に入れる」
―その見込みは?
後藤「最初は勝ち点3を取るしかない。初戦の南アフリカを相手に、勝ち点1で終わってしまったら厳しいだろうね」
大住「南アフリカも楽じゃないだろうけどね。隙を見せてはいけない」
後藤「力関係で言うと、日本のほうが絶対に上なんだから。まあ、南アフリカのプレーを見ていない私が言うと、説得力に欠けることは重々承知の上ですよ。けど、おそらく日本のほうが力は上だろうから、勝ち点3を取りに行くしかない」
大住「警戒するとしたら、えっ、て言うようなプレーをする選手だろうね。そういう選手は結構いるから。だけど、待ち構えているのが吉田麻也と冨安健洋だから、それは非常に心強い」
後藤「ヨーロッパで戦っている選手たちだから、アフリカ系のストライカーも対戦済みだろうしね。過去の南アフリカの選手たちをも見ても、身体はそこまで大きくなかったから。恐れる必要はない」
―ホンジュラス戦のように、前半で日本がプレスをかけまくって、後半は疲れてしまったという展開は避けたいですね?
大住「いや、日本はキックオフから、ああいう試合をやらないといけないと思うよ。5人交代できるんだから」
後藤「いまの日本の選手は、プレスって言っても、やたら走り回るわけじゃないから。ちゃんと見て、タイミングを合わせて、前が行ったら皆で行く、そうでなければ引く、というのを使い分けているからね。問題ない」
大住「前からのプレスは日本の生命線だからね。そこでボールを取って、攻め切っちゃうというのが理想の攻撃だね」
後藤「プレスがはまれば、結局それが一番楽なんだよ」
大住「だから、ホンジュラス戦のようになるから抑えよう、っていうのはダメ。疲れたら、どんどん替えていけばいいわけだし。まあ、スペイン戦みたいな交代のやり方で、チームの芯が無くなるのはダメだけどね」
後藤「普通は、交代って後ろは変えないで前を変えるもの。スペイン戦は2列目を変えないで、後ろを変えちゃったから、試合としてはあり得ないパターンだった」
大住「ホンジュラス戦の、前半のような試合を、南アフリカ戦でもしてほしいね」
■「メキシコは本当に厄介だよ」
―そして、第2戦はメキシコですね。
大住「メキシコは足腰がバチバチに強くて、技術も高い。試合を決める選手も持っているし、強いよ」
後藤「ここ最近の日本は、どことやっても負ける気はしなかったけど、去年11月のメキシコとの試合では完敗だったからね。オリンピックチームだって国内組ばかりだから、しっかりフルメンバーが揃ってくるわけでしょ?だから、このグループじゃメキシコが一番強いよ」
―メキシコが一番怖いと?
大住「まとまっている」
後藤「オリンピックには国を挙げて取り組んでいるからね。成功体験だってあるし」
大住「12年のロンドン五輪で優勝しているからね」
後藤「本気度が高いよ」
大住「国外組はひとりだけなんだよね」
後藤「だから、招集したい選手は全て招集できるわけだよ」
大住「あと、いつもキーパーが良いしね。メキシコ戦は本当に大変だと思う」
後藤「フランスはメンバーを集めるだけで大変なチームだから。招集した選手だって本気度は低いよ」
大住「モチベーションが低いよね」
後藤「早く帰ろうぜ、ってね。だから、ヨーロッパの中ではスペインだけが異常なんだよね。ユーロに出た選手まで、なんであんなに連れてきたんだろう」
大住「疲れている、ってルイス・デ・ラ・フエンテ監督が言っていたよね」
後藤「そりゃそうだよ。彼ら、下手すりゃ次のシーズンを棒に振っちゃうよ」
大住「勝ち点3を持ってメキシコと当たれるか。それがすごく大きい」
後藤「それでメキシコと引き分けて、勝ち点4にしておけば、それが合格点だね。もし勝ち点6になれたら狂喜乱舞だよ」
―そしたら、フランス戦はメンバーを落とせますね?
大住「出ていない選手を出せるよ」
後藤「橋岡大樹に頑張ってもらってね。彼は身体能力が長所なんだから、フランスの身体能力が強い選手たちを相手にして奮闘してくれよ、って。本当に身体能力がすごいんだから」
大住「ヘディングが強いんだよ」
後藤「立ったままの跳躍がすごいんだ」
■「スペインの方が強いけど、勝負はできる」
―グループリーグ突破の可能性はありますか?
大住「可能性と言うか、日本が突破をするためには、そういうことが必要だね」
後藤「フランスのやる気がなければ、突破の可能性は大きい。もし、フランスが突然まとまってガッと来たら怖いけど」
大住「精神的にまとまるのも、プレーでまとまるのも難しいだろうね。寄せ集めだから。おそらく日本に来てから、はじめてチーム練習をしているんじゃないかな」
後藤「南アフリカ・ワールドカップの時のフランスみたいにね(笑)。ただ、どうせチームでまとまらないから個人能力でやっちゃおうぜ、って開き直ったフランスは怖いよ。モンスターがたくさんいるから」
―トーナメントに入ってからは?
後藤「ラッキーなのは、準々決勝ではドイツ、ブラジル、アルゼンチン、スペインとかに当たらないこと」
大住「そう。韓国とは当たる可能性はある」
後藤「韓国はたしかに嫌だけど、それくらいだからね」
大住「当たる可能性があるのは、ニュージーランド、韓国、ホンジュラス、ルーマニアか。少なくとも日本の選手たちが、リスペクトし過ぎることは無いチームだよね」
後藤「だから、グループリーグさえ突破できれば、ベスト4への道はかなり開けているわけだよ」
大住「準々決勝は相手がどこでも、乾坤一擲という試合をしなくてはいけない」
後藤「それに目指せ金メダルと言っても、1試合1試合の運不運が関わってくるんだから、とりあえずはベスト4に行けば合格」
大住「ベスト4に行けば、4分の3の確率でメダルなんだからね」
後藤「ひとつ勝てばいいし、PK戦だっていいし」
大住「2試合のうちひとつ勝てばいいんだからね」
―今日のスペインを見てどうですか?また決勝でまみえる可能性は?
後藤「いいね」
大住「スペインは強いと思う」
後藤「あっちの山は、アルゼンチン、ブラジル、ドイツ。まあ、ドイツはそれほど強くはないけどね。ブラジル、アルゼンチンは本気でしょ?」
大住「コートジボワールだっているし」
後藤「そうだね、怖いね。だから向こうの山は大変だよ」
―スペインとの試合を見て楽しみが増しました。
大住「ああ、そう?」
後藤「スペインのほうが強いのは間違いないけど、でも勝負はできるよって」
大住「テレビの前の視聴者は、後半は寝ちゃったんじゃないかと思ったよ」
後藤「後半はしょうがない。けど、スペインと勝負ができるんだから。相手のほうが強い時もあるだろうけど、それでも全く敵わないわけではないよね、って」
大住「いまの日本は、たとえ悪い時でも耐える力はあるし、攻撃陣もいくつかの決定的なチャンスを作り出す力はある。だから本当に紙一重でもいいから、勝ち進んでくれたらいいな、って感じだね」
後藤「スペインのような優勝候補のチームと戦うと、たしかに向こうのほうがボールを握る時間が長いし、押し込まれるんだろうけど、日本はしっかりと耐えて戦える力はあるって事でしょ?そして、もしそれ以下のチームと戦うのであれば、こちらのほうが強いんだぞっていうような試合をして、しっかり勝つ。ということだよね」