F1史上初となるレース形式の「スプリント予選レース」が17日、試験的にF1第10戦イギリスGPで導入され、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(23)=オランダ=がトップでゴール。同GPでのポールポジションとして記録上、認定され…

 F1史上初となるレース形式の「スプリント予選レース」が17日、試験的にF1第10戦イギリスGPで導入され、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(23)=オランダ=がトップでゴール。同GPでのポールポジションとして記録上、認定された。2番グリッドからスタートし、トップグリッドだったメルセデスのルイス・ハミルトン(英国)を1周目でかわした。

スプリント予選レースのスタートシーン(ホンダ提供)

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 欧州メディアによると、2位でゴールし、18日の決勝で2番グリッドとなったハミルトンは「ファンにとってどのように映ったかは知らないけど、初日の金曜日に予選があるのは面白いし、楽しめたよ。エキサイティングなレースになったかどうかは分からないが、このような類いのものは、やるべきだね。たぶん将来は異なるバージョンになると思うが、今週末については楽しめた」と振り返った。

 スプリント予選を制したフェルスタッペンは「ゴールラインを通過した後にチームから『よくやった。ポールポジションだよ』と(無線で)言われた。レース距離の3分1を走って、決勝のポールポジションだと耳にしたことは、何だか奇妙だね」と率直な感想を漏らした。

 決勝のグリッドを決めるスプリント予選レースは約100キロの距離で争われた。通常はノックアウト方式の予選が実施されるが、今季はイギリスGPのほか、イタリアGPなど計3レースで実験的に実施され、同レースの勝者が記録上のポールポジションとして扱われると定義された。ただし、1~3位には3~1点のボーナスポイントが特別に与えられ、これまで予選が得点対象でなかったF1の歴史に一石が投じられた形だ。

 主催した側のF1運営会社のロス・ブラウン・マネジングディレクターは「非常に満足している。F1にとっては全く新しいコンセプト。我々全員が目の当たりにしたことの一つは、レーシングドライバーがレーシングドライバーだったことだと思う。1周目はハラハラしたが、センセーショナルなものになった。その後のレースも競争になっていた」と成果を得られたことを強調した。

スプリント予選レースを制したレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(ホンダ提供)


 1周目に大きな混乱もなく、レース中にコースアウトして大きく順位を下げたのはレッドブルのセルジオ・ペレス(メキシコ)だけ。アルファタウリの角田裕毅も16番グリッドからスタートし、16位でゴールした。

 当事者以外でも好意的な声がみられた。今季はF1シートを得られなかったニコ・ヒュルケンベルグ(ドイツ)は自身のツイッターで「初のスプリント予選に関する私の考え:今週末はこれまでのところ良いエンターテインメントとなっているし、より感動的でよりレーシング(速さを競う)になっていた。よくやった」とつづった。元F1ドライバーでテレビ解説者のマーティン・ブランドル氏も「このスプリント予選のフォーマットは、これまでのところ成功したとみなさなければならない」と自身のツイッターで前向きな見解を示した。

 一方、元F1王者のニコ・ロスベルグ氏はスプリント予選レースの勝者がポールポジション獲得者と認定されることに違和感を訴えた。スプリント予選レースのグリッドを決める公式予選がグランプリ初日に実施されており、同レース開始前に自身のツイッターで「正しい決定ではない。ポールは100%、予選で最速のドライバーに与えられるもの。スプリント予選レースの勝者がポールポジションと扱われるべきではない。これではF1の記録がおかしくなる」と疑問を投げかけた。

 国際自動車連盟のジャン・トッド会長もスプリント予選レースの導入を歓迎していないとされており、同レース終了後は公式コメントを出していない。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)


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