GIII中京記念(小倉・芝1800m)が7月18日に行なわれる。夏の中京開催のマイル重賞へとリニューアルされて今年で1…
GIII中京記念(小倉・芝1800m)が7月18日に行なわれる。夏の中京開催のマイル重賞へとリニューアルされて今年で10年目を迎えるが、京都競馬場の改修工事に伴う開催スケジュールの変更によって、今回は小倉・芝1800mという舞台で行なわれることになった。
昨年も阪神・芝1600mで行なわれ、18頭立ての最低人気メイケイダイハードが大激走を見せて勝利。3連単では300万円超えの超高配当が飛び出した。そもそもリニューアル後のレースにおいて、3連単では20万円超えの高配当が続出していた波乱の多い一戦。再び施行条件が変わって、"大荒れ"ムードが漂っている。実際、中日スポーツの大野英樹記者はこう語る。
「中京・芝1600mで開催されていた8年を見ても、1番人気はわずか1勝。昨年の大波乱も阪神開催のものですし、場所、距離が変わっても、夏場の"荒れるハンデ重賞"というのは同じ。今年も昨年同様に大波乱があっても驚けません」
では、波乱の立役者となりそうな馬はどんなタイプか。日刊スポーツの松田直樹記者は、小倉競馬場の馬場コンディションを踏まえてこう分析する。
「この夏の小倉は、芝も、ダートもかなり時計が速いです。1週目には芝でレコードタイムがいくつも飛び出して、2週目ではダートでも同じような現象がおきました。芝に関しては、2週目を迎えて多少は時計が落ち着きましたが、高速決着が続いているのは確か。小倉・芝1800mというと、従来は差し馬有利といったイメージがありますが、今回は前に行く馬が生き残る舞台設定になると見ています」
そこで、松田記者が注目するのは、ディアンドル(牝5歳)だ。
「3歳秋から今年の年明けまで長らく不振が続いていましたが、今回と同じ舞台で行なわれた3走前のGIII小倉大賞典(2月21日/小倉・芝1800m)では、先行して最後までしぶとく粘って3着。復調の兆しを見せました。
すると、続くGIII福島牝馬S(4月24日/新潟・芝1800m)では、逃げ切り勝ち。2019年の葵S(京都・芝1200m)以来の勝利を飾って、重賞2勝目を挙げました。デビュー当初は1200m戦で5連勝を遂げた短距離馬が距離を延ばして開眼。1年11カ月ぶりの勝利は、持ち前のスピードに粘りが加わった先行力が生きる内容でした」
さらに松田記者は、このディアンドルの復活劇について「一過性のものではない」と言ってこう続ける。
「復活のきっかけは、やはり3走前にあると思います。この時からチークピーシズを着用し、折り合い面での問題がなくなり、最後まで脚が続くようになりました。
そうして、前走のGIヴィクトリアマイル(5月16日/東京・芝1600m)でも4着と善戦。マイル戦でペースが流れたこともあり、得意の逃げには持ち込めませんでしたが、好位につける競馬で2着ランブリングアレーとはクビ差+クビ差。高速決着のGIでも通用するスピードを見せられたことは大きいです。
小倉大賞典で好走したように、小回り向きの脚質で、スピードも上位。有力どころの脚質は差しに集中しており、積極策での押し切りがあっても不思議ではありません」
松田記者はもう1頭、ダノンチェイサー(牡5歳)を推奨馬に挙げる。
「これまで、良馬場なら負けてもコンマ5秒以内でしたが、重馬場だった前走のオープン特別・東風S(3月14日/中山・芝1600m)では勝ち馬から1秒4差をつけられての9着大敗。新馬戦でも重馬場でコンマ7秒差の4着と負けていますから、前走の敗因はあくまでも馬場。良馬場が見込める今回は見直せると踏んでいます。
3歳時にはGIIIきさらぎ賞(京都・芝1800m)を勝って、続くGINHKマイルC(東京・芝1600m)では4着と奮闘。地力があるのは明らかです。
昨夏のオープン特別・小倉日経OP(小倉・芝1800m)では斤量57kgで出走し、今回有力視されているボッケリーニ(牡5歳)に次ぐ3着。当時はボッケリーニが斤量56kgでしたが、今回はボッケリーニが斤量57kgで、ダノンチェイサーが斤量56kg。斤量的にも、前に行ける脚質的にも、ダノンチェイサーのほうに分があります」

中京記念での復活Vが期待されるダノンチェイサー
ダノンチェイサーについては、大野記者も狙い目と見ている。
「前走の東風Sは荒れた馬場にノメって力を出せない形での9着でしたが、父ディープインパクトのこの馬にとって、高速馬場の小倉は格好の条件。さらに、中間の栗東CWコースでは僚馬ボッケリーニに先着するなど絶好な動きを見せていますから、今回は巻き返しが期待できます。
依然、折り合い面では苦労している印象がありますが、小回りコースで、内をじっくりと進められる展開になれば、きさらぎ賞以来の復活Vの可能性も十分に考えられます。それほど、状態はいいです」
実は大野記者には、このダノンチェイサー以上に熱い視線を送っている馬がいる。
「ミスニューヨーク(牝4歳)です。3走前に3勝クラスを卒業。その後の2戦は、福島牝馬S9着、GIIIマーメイドS(6月20日/阪神・芝2000m)15着と、ふがいない結果が続いています。その戦績だけをみると狙いづらいところですが、ともに明確な敗因があります。
福島牝馬Sでは、大事に乗ろうとするあまり位置を悪くして、直線で前が壁になって力を出しきれませんでした。マーメイドSでは外枠が災いしました。外で出したり、引いたりしているうちに、結局は最後まで外を回されるという厳しい展開になりました。いずれも、消化不良の結果だったことは確かです。
運に見放された2戦でしたが、小倉コースは2戦して1勝、2着1回と好相性。今回は人気落ち必至でしょうが、スムーズに回ってくれば、この馬の一発があってもおかしくありません」
高配当が期待できる夏のハンデ重賞。その一端を担う馬は、ここに挙げた3頭の中にいるかもしれない。