ヤンキースでキャリア初めて40人のロースター入りを果たした日系米国人選手と田中将大投手ら日本人との“絆”が現地で話題となっている。米紙「ニューヨーク・タイムズ」電子版が伝えている。■「日本語話せる捕手へ」ヤンキース若手有望株が挑戦 ヤンキー…

ヤンキースでキャリア初めて40人のロースター入りを果たした日系米国人選手と田中将大投手ら日本人との“絆”が現地で話題となっている。米紙「ニューヨーク・タイムズ」電子版が伝えている。

■「日本語話せる捕手へ」ヤンキース若手有望株が挑戦

 ヤンキースでキャリア初めて40人のロースター入りを果たした日系米国人選手と田中将大投手ら日本人との“絆”が現地で話題となっている。米紙「ニューヨーク・タイムズ」電子版が伝えている。

 今回の特集で注目を浴びているのはカイル・ヒガシオカ捕手。2008年のドラフトでヤンキースから7巡目指名を受けた、26歳の有望株だ。

 昨季のマイナーでの活躍を経て初めて40人のロースター入りが実現。現在、スプリングトレーニングに参加中で、6日(日本時間7日)時点でオープン戦6試合で7打数4安打1本塁打、1打点、打率.571と勝負強い打撃を見せている。

 記事ではヒガシオカが日系米国人4世であることを紹介。本人は父親から日本語を習得するようプレッシャーをかけられてきたことを明かしており、「この春、ついに挑戦したほうがいいかなって思ったんだ」と語っている。その理由について記事では、ヤンキース投手陣に日本人エースがいること、また将来的に大谷翔平(日本ハム)が加入する可能性があることに言及しており、本人も「日本語が話せるキャッチャーがいるのは、ヤンキースにとって有益になると思ったんだ」と語っているという。

■「タカメ、ヒクメ…」、 田中とは日本語でコミュニケーションも

 語学習得の最高の“勉強相手”となっているのが田中や同投手の日本人通訳のようだ。本人は記事の中で「日本語を話さなければ、日本人だと本当に考えてはもらえないというのが経験則。僕も一部は日本人なんだから、もっと自信をもって話せるようになりたい」と語っている。

 そんな若手捕手は田中の投球を「ストレート、スライダー、スプリッターカッター」と日本語で表現することができるという。どこに投げたいかも聞くことができるようで、「タカメ、ヒクメ、ナイカク、ガイカク」との言葉も飛び交っているようだ。記事では、田中が自身の英語とヒガシオカの日本語のどちらが上手いかを聞かれ、「セイム(同じくらい)」と笑ながら答えたことも紹介している。

 記事の中で「文化の仕組みは全て、アメリカのものとは全然違う。タナカと他のアメリカ人との違いを理解するってクールだよ。とても面白いし、興味がある」と語っている26歳。自身のルーツの一つである日本文化を学ぶ姿勢を見せており、日本語を覚えることで、捕手としての“幅”を広げる考えもあるようだ。

 右肘の不安を吹き飛ばして昨季飛躍を遂げた田中が今年もエースとして期待されているヤンキース。同じ環境でトップ選手へと這い上がろうと奮闘する日系米国人選手の挑戦も、今季の見所の一つとなりそうだ。