7月18日、函館競馬場でGⅢ函館記念(芝2000m)が行なわれる。 このレースはハンデ戦だけに、波乱の結果になりがちな…

 7月18日、函館競馬場でGⅢ函館記念(芝2000m)が行なわれる。

 このレースはハンデ戦だけに、波乱の結果になりがちなのが特徴。昨年は1着・15番人気アドマイヤジャスタ、2着・13番人気ドゥオーモ、3着・3番人気バイオスパークの決着で、単勝7,730円、馬連13万1670円、3連複28万3880円、3連単343万2870円と、このレースの最高配当が飛び出している。それ以前にも、2018年は3連単57万1480 円、2017年は3連単91万5320円、と毎年のように高配当が出ている。思い切った穴狙いをしてもいいレースだろう。

 そういった意味で今回、狙いたいのがワセダインブルー(牡6歳/美浦・池上昌和厩舎)だ。



昨年8月にオホーツクSを勝利したワセダインブルー

 同馬は昨年8月にオホーツクS(札幌/芝2000m)を勝利したものの、そのあとはGⅢ福島記念(福島/芝2000m)6着、GⅡ日経新春杯(中京/芝2200m)8着、GⅢダイヤモンドS(東京/芝3400m)13着と重賞で3連敗。今回もそれほど人気にはならないだろう。

 しかし、この馬は北海道の洋芝コースでは安定していて、札幌では前述のオホーツクSを勝ち、2019年8月の3歳以上1勝クラスでも3着。今回と同じ函館/芝2000mで行なわれた五稜郭Sでは、勝ち馬からクビ差の2着と好走している。今回、得意の条件に戻るので見直してみてもいいだろう。

 血統的にも魅力で、父ハービンジャーの産駒はこの函館/芝2000mで13勝と、ここ15年ほどでは、キングカメハメハに並ぶ最多勝。全出走数はキングカメハメハの112に比べて106とやや少なく、勝率は12.3%と上回る。

 この函館記念では7戦して馬券絡みがないが、昨年のレイホーロマンスは14番人気5着、2019年のドレッドノータスは7番人気4着と好走を見せている。ワセダインブルーは今回、2月のダイヤモンドS以来5カ月ぶりのレースとなるが、得意の条件なだけにキッチリと仕上げてきているだろう。

 もう1頭、GⅠ馬カフェファラオ(牡4歳/美浦・堀宣行厩舎)にも触れておきたい。今年のGIフェブラリーS(東京/ダート1600m)の勝ち馬で、今回が初の芝のレースとなるが、ハンデ戦の今回は58.5kgのトップハンデを課せられてしまった。厳しい条件が重なるものの、血統的には面白い存在だ。

 父アメリカンファラオはケンタッキーダービー、プリークネスS、ベルモントSを勝った米三冠馬で、一見するとダート向きと思うかもしれない。だが、その産駒には仏GⅠクリテリウムアンテルナシオナル(芝1600m)を勝ったヴァンゴッホなど、芝のGⅠ馬も出している。

 そしてカフェファラオの母メアリズフォリーズも、芝8.5Fの米重賞を2勝。兄ナイトプローラー、姉リーガルグローリーも米国の芝重賞を勝っている。さらに、「父がアメリカンファラオ」で「母の父がモアザンレディ」という配合は、米GⅡBCジュヴェナイルターフスプリントを勝った本邦輸入種牡馬フォーウィールドライブと同じでもあり、血統的には芝向きと言える。今回は軽視するという方が多いかもしれないが、筆者はあえて狙ってみたい。

 以上、今年の函館記念はワセダインブルー、カフェファラオの2頭に期待したい。