【取材・構成:不破由妃子/四位師、大恵陽子=コラム『調教師・四位洋文』】 四位調教師の「馬作り」「人作り」「厩舎作り」…
【取材・構成:不破由妃子/四位師、大恵陽子=コラム『調教師・四位洋文』】
四位調教師の「馬作り」「人作り」「厩舎作り」に迫ってきた“四位厩舎特集”も、今回が最終回。最後は四位調教師からのメッセージで締めくくりたいと思います。
競馬を応援してくださるファンの皆様へ、競馬を支えてくださる馬主や関係者の皆様へ、そして大切な厩舎メンバーへ――四位調教師が届けたい想いとは。
◆「これからも馬への愛情を第一に」
今回、思いがけずこういった取材をしてもらう機会をいただき、非常にありがたかったです。なぜなら、技術調教師としてスタートした矢先にコロナ禍となり、トレセンの入場規制、取材規制も厳しく、自分の構想や信念をアピールする場がことごとくなくなってしまったから。
本来ならば、お会いできるはずだった馬主さんともいまだに会えず、電話だけのやり取りとなっている方もいます。それは僕だけではなく、同時期に開業した調教師はみんな一緒で、昨年までの新規開業に比べ、厳しい船出となりました。
そんななか、本当に一生懸命に働いてくれているスタッフたちには、感謝しかありません。今回のアンケートにも丁寧に答えてくれて、彼らの言葉ひとつひとつを噛みしめるように読みました。
最初にも言いましたが、馬作りは小さなことの積み重ね。ひとりひとりが意識を高く持ち、馬と真っすぐに向き合って、近い将来、馬主さんから「ぜひあなたに担当してほしい」と指名されるようなホースマンになってほしいと思っています。
もちろん、それは僕も一緒です。「四位厩舎に預けたい」。そう言っていただけることが最大の目標であり、一歩ずつでも目標に近づけるよう、日々馬作りに取り組んでいます。
「馬は言葉を話せない。だから、人間ができることは、すべてやってあげなければいけない」とは藤沢和雄先生の言葉であり、手を掛けてあげることによって、少しでも故障する確率が減るのであれば、それは迷わずやるべきだという教えです。この言葉には、非常に感銘を受けました。
たとえば、毎日5分でもいいから脚を冷やすことで故障する確率が減るのであれば、それはやるべきこと。とはいえ、人間は楽をしたい生き物ですから、熱を持っているわけでもなく、何の異常もなければ冷やさない。でも、たった5分で防げる故障があるのなら、やってあげようよと僕は思うし、スタッフにもそう伝えています。
まだ出航したばかりの四位厩舎ではありますが、今回の短期連載を通して、我々が何を考え、日々どういうことに取り組んでいるか、ファンの方々にも興味を持ってもらえたらうれしいです。
これからも馬への愛情を第一に、関わる人みんなが幸せになれる馬作り、人作り、厩舎作りに取り組んでいく所存です。
JRA調教師・四位洋文