【UEFA EURO2020 決勝 イタリアvsイングランド 2021年7月11日(日本時間28:00キックオフ)】 試…

UEFA EURO2020 決勝 イタリアvsイングランド 2021年7月11日(日本時間28:00キックオフ)】

 試合開始から僅か1分57秒。EURO決勝史上最も早いゴールは、3バックで試合に臨んだイングランドの狙い通りのものだった。

 グループリーグでは一貫して4バックだったイングランドは、ドイツ戦で3バックを初披露。ミラーゲームに持ち込んでヨシュア・キミッヒとロビン・ゴセンスの攻撃力を消すことに成功すると、ジャック・グリーリッシュを入れた終盤にルーク・ショーが攻撃でも存在感を放ち、見事な勝利を収めていた。

 この大事な決勝でその時以来の3バックを採用したガレス・サウスゲート監督だが、イタリアは4-3-3。今回はミラーゲームではなかった。

 オープナーという言葉にピッタリの早い時間でのゴールはカウンターからだった。

 右ウイングバックのキーラン・トリッピアーにボールが渡り、クロスがファーサイドの左ウイングバックのショーへ。そしてダイレクトボレーでショーが決め、いきなりスコアが動いた。

 4バックに対して5人目が大外を使う形は、まさにシステムの噛み合わせを突いたもので、ウェンブリーは早くもお祭り騒ぎとなった。

■イタリアは焦らなかった

 反撃に出たいイタリアだったが、3バック+両ウイングバック+セントラルミッドフィルダー2人でしっかり引いて守るイングランドはチーロ・インモービレやロレンツォ・インシーニェらに使えるスペースを与えず、いわゆる塩漬け状態で時間を消化していった。

 ところが、先制があまりにも早すぎたことでイタリアは慌てなかった。引いて守るイングランドに対して無理に攻めず、カウンターだけは受けないように、後方でじっくりボールを動かしながらどうにかして数的優位を作れないものかと試み続けた。右サイドのフェデリコ・キエーザが攻守でピッチのあらゆる場所に顔を出すというやり方で、半ば強引にシステムの違いを埋めようとしたイタリアがようやく左サイドで優位に立てることを見つけて前半が終わった。

 後半もそのまま同じ構図で始まると、ロベルト・マンチーニ監督が動いた。

 54分、ニコロ・バレッラとインモービレを下げてブライアン・クリスタンテとドメニコ・ベラルディを投入。この交代でキエーザを左サイドに回し、加えてインシーニェの0トップという形にしたイタリアは、ようやく中盤から前でボールを思い通りに動かすことが可能になった。

 そのまま耐えきろうとするイングランドだったが、67分にコーナーキックからついに同点ゴールが生まれた。

 するとサウスゲート監督が動いた。トリッピアーをブカヨ・サカと交代してシステムを4バックに変更。同点になったことで、そのまま時間を過ごす意味はもうないということだった。

 ただし、これはあくまでも引きすぎてしまっている状態を変えるという意図であり、勝負に出たわけではなかった。

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