F1の次戦イギリスGP(7月18日決勝、シルバーストーンサーキット)でレース形式の予選セッションが試験的に初めて導入される。土曜日に距離100キロ程度の「スプリント予選レース」が実施され、日曜日に行われる決勝レースのスターティンググリッド…

 F1の次戦イギリスGP(7月18日決勝、シルバーストーンサーキット)でレース形式の予選セッションが試験的に初めて導入される。土曜日に距離100キロ程度の「スプリント予選レース」が実施され、日曜日に行われる決勝レースのスターティンググリッド順を決める。今季はスプリント予選を計3戦で予定しており、イギリスGPのほかにイタリアGP、ブラジルGPで導入される見通しだ。

メルセデスのルイス・ハミルトン(ダイムラー提供)

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 決勝のグリッドはスプリント予選の結果に基づかれるが、それではスプリント予選のグリッドをどのようにして決めるのか。グランプリ初日の金曜日にスプリント予選のグリッド順を争うノックアウト方式の予選が行われる予定。そのため大会スケジュールも初日から大幅に刷新されることに。

 現行では金曜日にフリー走行1回目とフリー走行2回目、土曜日にフリー走行3回目と予選、日曜日に決勝が行われているが、次のイギリスGPでは金曜日にフリー走行1回目と予選、土曜日にフリー走行2回目とスプリント予選、日曜日に決勝の日程が組まれている。

 ちなみにフリー走行1回目の開始時刻は16日午後2時30分(日本時間午後10時30分)でセッションは1時間。予選は午後6時(同17日午前2時)からの予定だ。スプリント予選は17日午後4時30分(同18日午前0時30分)から。従来の予選は日本時間午後10時スタートとなっており、2時間半ほど遅いスケジュールとなる。

 やや複雑なのはイギリスGPのポールポジション獲得者の認定だ。通常の予選順位に相当するのが金曜予選の結果なのか、スプリント予選の順位なのか、判断が分かれるところだが、F1運営会社と国際自動車連盟が協議した結果、スプリント予選の勝者が正式なポールシッターと見なされることになった。

 複数の欧州メディアによると、F1運営会社のロス・ブラウン・マネジングディレクターも「当初は金曜予選の順位に基づくとと伝えてきたが、訂正しなければならない。実際はグランプリ(決勝)でトップのグリッドを得た選手がポールポジションで、それが通算ポールポジション獲得回数にも反映される」とした。

 スプリント予選で仮にレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(オランダ)が勝った場合は、4戦連続今季5度目のポールポジション獲得という扱いになる。ちなみに予選レース、決勝レースを導入済みのF3マカオGPでは予選レースのグリッドを決める予選1、2回目のタイム順を公式予選順位としており、実質的には決勝2ヒートによるレースという認識となっている。

オーストリアGPのアルファタウリ・ホンダ(ホンダ提供)


 F1のスプリント予選では2セットのタイヤを使えることにはなっているが、タイヤ交換の義務がないことから各チームともレース距離の100キロをそのまま走りきれるタイヤを装着して、ノーピット戦略で臨む見通しだ。

 メルセデスのルイス・ハミルトン(英国)は「おそらくクルマが数珠つなぎになるのではと想像する。オーバーテーク(追い抜き)するところを見たいけど、十中八九、エキサイティングなことにはならないだろうね」とし、他車と接触して順位を下げるリスクをを避けるために激しいバトルはあまり起きないとみているようだ。

 ただし、グリッド後方に沈んだ選手が一か八かを懸けて勝負に出てくる可能性はあるし、タイヤの使い方が下手な選手が後半で失速し、順位を下げるケースもあるかもしれない。

 通常の計時予選だったフォーマットが現行のノックアウト方式に切り替わったのが2006年。試験的ながら大幅に予選方式が改まるのは15年ぶりとなる。スプリント予選の成否や反響次第では来季から全面導入に移行する場合もあり、注目が集まっている。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)


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