■7月10日/J1第22節 大分トリニータ―浦和レッズ (昭和電工) 10日に行われたJ1第22節、昭和電工ドーム大分で…

■7月10日/J1第22節 大分トリニータ浦和レッズ (昭和電工)

 10日に行われたJ1第22節、昭和電工ドーム大分で行なわれた大分トリニータと浦和レッズの試合は、先制した大分が守り切り、1-0で勝利した。大分は、直近のリーグ戦では4試合連続で無得点。およそ1か月間、ゴールを挙げていなかったが、見事に浦和の守備網を崩し切った。

 一方、浦和にとって、今節で勝利すればACL出場圏内の3位に浮上する可能性があった。しかし、アウェーの大分戦は2004年に勝利したのを最後に、両者がJ1で対峙した8シーズン、敵地での勝ち星がない。いわゆる”鬼門“と呼ばれるスタジアムでまたしてもジンクスに屈し、4試合ぶりの敗戦となった。

 直近の戦績を比較すると、攻撃の厚みがある浦和が圧倒するだろう、と誰もが予想したはずだ。しかし、前半の立ち上がりから不穏な空気はあった。ビルドアップから攻撃を丁寧に組み立てようとする浦和だったが、直近の試合で見られたような効果的なパス回しや選手同士の連動性、前線への推進力は鳴りを潜めていた。ボールを握るものの、味方へのパスはズレがちで、むしろ高い位置からプレッシャーをかける大分に苦戦を強いられた

 前半4分には、大分のMF小林成豪にドリブルで仕掛けられ、開始早々にピンチを迎える。ここは相手のオフサイドに救われたが、その後も大分のFW長沢駿やMF町田也真人らが前線からボールを奪おうとプレスをかけると、浦和はミスが続き、バックパスの選択が多くなった。

 試合が動いたのは前半12分。自陣でボールを奪われると、大分がショートカウンターを仕掛ける。自陣右サイドのクロスから、ファーサイドでフリーになった町田にヘディングで決められ、相手に先制を許す。4月に浦和のホームで行われた前回対戦でも、町田には2ゴールを奪われていて、今シーズンは3得点を許す形になってしまった。

 序盤は完全に大分のペースになり、失点後も相手が攻勢を強める。前半14分には再び大分の決定機が訪れた。バックパスのミスを拾われ、フリーの長沢がGK西川周作と1対1になるが、このシュートは枠外に外れた。また前半23分には長沢がポストプレーでボールをキープし、町田がミドルシュートで追加点を狙うが、ここは西川が好反応で阻止する。

 浦和は前半だけで70%という高いポゼッション率を打ち立てるものの、ほとんど自陣でのプレーを強いられた。前線で待ち構えるFWキャスパー・ユンカーも終始、両手を大きく広げてアピールするが、ユンカーの位置までボールを運べない場面が続く。前半アディショナルタイムにようやくMF柴戸海がミドルシュートを打つにとどまり、シュート数も1本のみで、0-1のまま前半を終えた。

◼︎ユンカーと杉本の2トップも功を奏せず

 前半の早い時間に先制され、その後も相手にゲームをコントロールされる展開で、浦和にとっては少なからずゲームプランが崩れたのかもしれない。前半終了のホイッスルの後、リカルド・ロドリゲス監督はすぐにベンチを後にせず、そのまましばらくコーチ陣と話し合う姿が見られた。

 後半開始から浦和はボランチの柴戸に代えてFW杉本健勇を投入。4-2-3-1のシステムから4-4-2に変更し、ユンカーと杉本の2トップで巻き返しを図った。

 後半は徐々に浦和もリズムを取り戻すが、久々の勝利を挙げようとする大分の強固な守備を崩し切れず、なかなかフィニッシュまで持ち込めない。逆に前掛かりになると、前半と同様に相手のカウンターを受けてピンチを招くなど、ボール運びの際のミスも散見された。

 浦和は後半2分、MF田中達也が右サイドから送ったクロスに走り込んできたDF明本考浩がゴール前で合わせるが、ここは精度を欠いた。後半31分にはMF小泉佳穂からボールを受けた杉本が振り向きざまに強烈なミドルシュートを狙うが、相手GKの好セーブに阻まれる。結局、後半も浦和のハイライトシーンは少なく、1点が遠いまま、試合終了のホイッスルを聞くこととなった。

◼︎リカルド監督「ミスやコントロールのズレがあった」

 大分に完全に封じ込められ、浦和は2試合連続で無得点に終わった。

 試合後の会見で、リカルド監督は「ここ最近の試合とやり方を変えたわけではなかったが、前半は激しく来る相手にやられてしまった。ひとつひとつのミス、ひとつひとつのコントロールのズレが原因だったと思う。後半は自分たちのやりたいことができて、早い時間にチャンスを作ることもできたが、決め切るところができなかった」と、敗因について分析した。

 また、後半開始と同時に杉本を起用した理由についても言及し、「前線に人を増やし、相手のCBをロックしたいという狙いだった。スペースを見つけながら引き出す動きがあったり、(杉本が)シュートを狙うシーンもあった。もともと大分はこれだけ固い守備ができるチームなので、チャンスを作れたことはよかった」と、一定の評価を示した。

「早い時間で修正を図ったが、勝ち切ることができなかったのは、仙台戦と同様にチャンスを決め切れなかったところにある。ただ、湘南戦や大分戦などでは思うような結果を出せなかったが、内容は決して悪くはなかった。(中断期間中は)より高いレベルの練習をして、新加入選手の特性を生かすことも考え、休み明けにさらに上を目指していきたい」と、後半戦への巻き返しを誓った。

■試合結果

大分トリニータ 1-0 浦和レッズ

■得点

前半12分 町田也真人(大分トリニータ)

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