5日、鈴鹿サーキットのファン感謝デーにおけるプログラムのひとつとして、恒例のスーパーフォーミュラ“第0戦”が実施された。開幕前のデモレースを制したのは昨年のチャンピオンである国本雄資。注目の大物新人ピエール・ガスリーら新顔も初陣を飾っている…
5日、鈴鹿サーキットのファン感謝デーにおけるプログラムのひとつとして、恒例のスーパーフォーミュラ“第0戦”が実施された。開幕前のデモレースを制したのは昨年のチャンピオンである国本雄資。注目の大物新人ピエール・ガスリーら新顔も初陣を飾っている。
前日に続いて好天の鈴鹿サーキット、朝9時から約1時間の公開テストセッションを終えた全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)参戦陣営は、午後12時50分から「オープニングラップ」と銘打たれたデモレースに臨んだ。前年王者#1 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING/エンジンはトヨタ)がポールポジション、そして新人5名が後方15~19番グリッドからスタートする第0戦は鈴鹿フルコース7周での戦いだ。
スタート前には、鈴鹿ファン感謝デーにゲスト出演しているミカ・ハッキネン、ジャン・アレジといった“F1レジェンド”がSFについてのトークを展開。あまりSFとは馴染みのない印象の両者だが、実はアレジはF1参戦前にSFの前身のさらに前身である全日本F3000選手権に出場経験をもっている(つまりSFのOB選手)。ふたりからは、欧州でも特に近年はSFが若いドライバーにとって「参戦したいカテゴリー」のひとつになっているとの旨が語られた。
実際、今季の参戦陣容は欧州からの有力なニューチャレンジャーも含め、全19台の過半数に及ぶドライバーが新人、移籍、復帰といった変化を伴う面々。実にフレッシュかつ、より充実したラインナップとなっている。
そしてスタートした第0戦は、もちろん真剣勝負ではなく、半ば意図的に順位を入れかえたりしつつの顔見世興行、相撲でいえば花相撲だが、1分40秒台の“決勝レースなら真剣水準”と取れるラップタイムも記録されるなど、ホンモノの迫力は充分に伝わるもの。4月に鈴鹿で開幕するシーズンへの煽りとして、集まった多くのモータースポーツファンへの格好のアピールとなった。
昨季の成績上位陣で構成された前方グリッド勢は、最終的に1~5位がグリッド順通りにゴール。#1 国本が先勝を得て、2位に#19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)、3位には#16 山本尚貴(TEAM MUGEN/ホンダ)が入った。
移籍して今季を迎える#18 小林可夢偉(KCMG/トヨタ)は11位。また、SF初陣を飾ったかたちになる新人勢では、#3 N.キャシディ(KONDO RACING/トヨタ)が最上位の12位でチェッカーを受けている。今季のSFシートを最後に射止めたマカオF3優勝歴2回の#7 F.ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)は15位。昨季GP2王者、レッドブルカラーで走る次期F1候補生#15 P.ガスリー(TEAM MUGEN/ホンダ)が16位で、ゲーム出身の#20 J.マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)は17位だった。
第0戦の順位自体にさしたる意味はないが、朝の公開テストセッション、こちらはほぼ真剣モードだったといえよう。テストなのでメニュー状況の違い等を考慮する必要はあるが、2011年王者、世界的強豪として知られる#36 A.ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)が1分37秒713で貫禄のトップタイムをマーク。トヨタ勢がトップ9を占め、うち4台が37秒台、唯一の日本人ルーキーである#4 山下健太(KONDO RACING/トヨタ)が新人トップの4番手タイムを記録している。
SF参戦チームはこのまま鈴鹿に居残り、明日(6日)から2日間の日程で今季第1回の公式合同テストに臨む。テスト初日は10時30分と15時30分から各2時間の走行を予定。いよいよ明日から、SFは完全な真剣モード突入となる。
全19台がデモレースを戦った。《撮影 遠藤俊幸》
今季の健闘をファンに誓った参戦選手たち。《撮影 遠藤俊幸》
ハッキネンと握手する小林可夢偉(中央はアレジ)。《撮影 遠藤俊幸》
1991年にはF1で同じコース上にて戦っていた3人が邂逅。左からハッキネン、アレジ、中嶋悟(SF主宰団体JRPの会長として登壇)。《撮影 遠藤俊幸》
#15 P.ガスリー《撮影 遠藤俊幸》
#15 P.ガスリー《撮影 遠藤俊幸》
#7 F.ローゼンクヴィスト《撮影 遠藤俊幸》
ローゼンクヴィスト、ガスリーら新人勢は後方グリッドからデモレースに参加。《撮影 遠藤俊幸》
#3 N.キャシディ《撮影 遠藤俊幸》