「ヨコハマタイヤ」ブランド元の横浜ゴムとYTCに設置経緯を聞く 米大リーグで史上初めて投打二刀流でオールスターに選出され…

「ヨコハマタイヤ」ブランド元の横浜ゴムとYTCに設置経緯を聞く

 米大リーグで史上初めて投打二刀流でオールスターに選出されたエンゼルス・大谷翔平投手。今季はMLB単独トップの32本塁打を放つなど、特に野手としての長打力が際立つ。大谷の本塁打と言えば中堅やや左中間寄りに“ビッグフライ”を打ち込むのが特徴の一つだ。

 本拠地エンゼルスタジアムでセンターに滞空時間の長い本塁打が放たれる度、画面に映し出されるのは「YOKOHAMA TIRES(ヨコハマタイヤ)」の看板ロゴ。日本のファンも中継映像で目にする機会は多いが、中堅左に掲出された理由はあるのだろうか。経緯や思いを、ブランド元である横浜ゴムと米国の販売会社「Yokohama Tire Corporation(YTC)」に聞いた。(文=THE ANSWER編集部)

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 エンゼルスタジアム中堅に向かってやや左に設置された名物「ロックパイル」。人工の岩山と滝で、同じくロサンゼルスにあるディズニーランドの「ビッグサンダー・マウンテン」を思い起こさせる。エンゼルスの選手が本塁打を放つと、美しい花火が打ちあがる場所でもある。

 大谷は2018年の入団から「ロックパイル」付近に本塁打をよく打ち込んでいる。今季はライト方向へ引っ張った本塁打も増えたが、昨季まではMLB通算47本塁打のうち24本が中堅方向。20年シーズンまで実況を務めたビクター・ロハス氏の「ビッグフライ、オオタニサン!」の一言とともに、ロックパイル前の外野フェンスに設置された「YOKOHAMA TIRES」のロゴが映し出される頻度もかなり多かった。

 今年6月5日(日本時間6日)、岩手・花巻東高の先輩である菊池雄星投手から放った16号本塁打も、同ロゴを越えていく様が映像で報じられた。大きな宣伝効果が生じていると思われるが、もしかすると、本塁打方向の傾向を分析した上であの位置に設置しているのではないか……。純粋な疑問を、横浜ゴム広報室を通じて担当者に聞いてみた。

 まず、設置された経緯について。YTCによると、同社がエンゼルスとパートナー契約を締結したのは2011年。YTCが球場から車で約30分の位置に本社を構えている関係もあり、地域貢献活動の一つとして同年からロゴを掲出するようになった。

取引先からは「先見の明がある」と話題にされたことも

 設置から7年後、海を渡ってきた大谷がもたらした“本塁打効果”は凄まじい。横浜ゴムは「今年は各部門がお取引先様とお会いした際、頻繁に話題に上がっています」と明かした。ロゴ掲出を知っている取引先からは「ヨコハマさんはさすがです。先見の明がありますね」と言われたこともあるほどだ。同じ日本人として、素直に活躍が誇らしいと思っている人がいかに多いかを感じている。

 気になるのは、中堅左のあの場所に設置した理由があるかどうか。YTCによると「残念ながら、偶然です」「大谷選手が飛ばすたびに、偶然を感じています」とのこと。前述のとおり、ロゴは大谷が入団する以前の2011年から掲載しており、打球方向の分析から設置場所を考えたものではない。

 とはいえ、大谷の活躍で大きな反響が生まれているのは確実。エンゼルスに対する日本人の関心が増していることも、球団を支えるYTCは歓迎している。

「当時(看板ロゴを掲出した2011年)は、大谷選手はまだエンゼルスには入団しておらず、エンゼルスの日本での露出は数えるほどでした。大谷選手の加入により、日本でのエンゼルスの知名度も急上昇していると思いますし、子供から大人までに知られる人気球団になっているのではないでしょうか。そうした人気球団をサポート出来ている事を大変喜ばしい事だと感じています」

 今季は二刀流でのオールスター出場、ホームランダービー参戦も決定。本塁打王争いでもトップを走り、米国でもスターとなった大谷には「大変すばらしい成績を残されておりますので、このままケガなくシーズンを終えると共に、引き続き素晴らしい成績を残される事を期待し、YTCとしても応援をしていきたい」とエールを送った。(THE ANSWER編集部)