「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月28日~7月11日/グラスコート)の準々決勝で姿を消すことになったロジャー・…

「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月28日~7月11日/グラスコート)の準々決勝で姿を消すことになったロジャー・フェデラー(スイス)の試合後のコメントを、「ウィンブルドン」の公式サイトをはじめ多くのメディアが報じている。【大会概要】ジョコビッチやバーティも出場!「ウィンブルドン」【関連記事】フェデラーの21回目のグランドスラム優勝はお預け。青山/柴原が準決勝へ[ウィンブルドン]

第6シードで臨んだフェデラーは、第14シードのフベルト・フルカチュ(ポーランド)に3-6、6-7、0-6のストレート負けを喫しただけでなく、「ウィンブルドン」で初めてゲームカウント0-6のベーグルを味わわされた。これはフェデラーの過去20年ほどを遡ってみても、2008年の「全仏オープン」決勝でラファエル・ナダル(スペイン)に敗れた時の一度しかないくらい稀なことだ。

今回のように一流選手が大舞台で負けた場合、最小限の時間で敗戦の場から立ち去るために、試合後すぐに記者会見に臨むことが珍しくない。だがフェデラーは記者会見場に現れるまでに1時間と15分を要しており、気持ちを整理する時間が必要だったのかもしれない。マイクを前にフェデラーは、終始沈んだ表情で語った。

「あれが“ウィンブルドン”でプレーする最後の試合になるかどうか、本当にわからない。何日か休んでから考えようと思っている。フベルトのプレーは素晴らしかった。厳しい戦いだったよ。最後の数ゲームは明らかに…巻き返せないことを感じていた。そういう状況には慣れていないんだ。特にここではね」

「この1年半は長く感じられたし、辛かったよ。負けた瞬間はすごくがっかりした。今でも引きずっているよ。ものすごく疲れた。今すぐにでも眠りたいくらいだ。すべてを賭けて、精神的に自分を追い込んで出し切ったから、この場で寝てしまえるくらい疲労困憊だよ」

2020年に2度の膝の手術を受けたフェデラーは来月8日に40回目の誕生日を迎えるが、引退することはまだ考えていないと明言する。

「広い視野を持つことが大切だと思っているんだ。リハビリに励むには目標がいる。山頂まで一気にたどり着こうと思ってはいけない。一歩一歩進まないと。“ウィンブルドン”はその中で最初の大きな一歩だった。ご覧の通り、僕にとっては苦難の連続で、常に全力を求められる戦いだったよ。フベルトとの試合では特に難しかった。今後はチームと話し合って、時間をかけて正しい判断をするだけだ」

フェデラーは準々決勝に進出したことを「とても嬉しい」と語ったが、その言葉とは裏腹に、淡々とした口調から喜びは感じられなかった。

「これだけ試合を戦ってきても身体は全体的に調子がいいよ。(今季は)パリとジュネーブ、ドーハ、ハレでプレーして、試合でのタフネスとフィットネスを身につけてからこの“ウィンブルドン”に臨めて良かったと思っている。その過程は信じられないくらいに遅いペースだったけど。去年掲げた目標は“ウィンブルドン”に出ることだった。今年はやっとの思いで出場できた感じだよ。長くて厳しい道のりだった」

「10、15、20年前だったらいとも簡単に、当たり前にできていたことが、僕の現在のゲームにはたくさん欠けている。今では自然にできなくなってしまったんだ。こうしよう、ああしようと、常に意識してプレーしなければならない。コート上ではいろいろなアイデアが湧いてくるんだけど、思うようにいかないこともあるんだ」

「もちろん今日の敗戦は悔しいし、チャンスはあったと思っているけど、そういうものさ。僕は大丈夫だ。こういう状況で自分がどういう風になるかはわかっている。だいたい自分にきつく当たって悲しい気持ちになるけど、数時間後あるいは数日後にはすっかり元気になって、いつもの自分に戻る。それがわかっているから僕は大丈夫だよ」

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ウィンブルドン」でのフェデラー

(Photo by AELTC/Joe Toth - Pool/Getty Images)