東京2020オリンピック競技大会・サーフィン日本代表「NAMINORI JAPAN」(以下、波乗りジャパン)が7月5日(月)、オンライン記者会見に臨んだ。出席者は大原洋人、都筑有夢路、前田マヒナ。五十嵐カノアは会見を見合わせた。以下、3人のコメント。

大原洋人


大原洋人調整について

なるべく地元(会場である千葉県)でサーフィンするように心がけています。潮の満ち引きで波のコンディションは変わるので、その都度、いろんなボードを試しながら、どれがどのように体にフィットするのか、様子を見て調整しています。あとはオンオフの切り替えのために、釣りなどの趣味に没頭する時間も作っています。

オリンピック出場を勝ち取るまでに辛かったこと

(舜を)追いかけている状況ではありましたが、それほど辛さはなかったです。練習やトレーニングを積み重ねて、自分の最大値を高めていくことを世界戦まで重視していました。(代表入りは)それを試合で発揮できた結果だと思っています。出場が決まって、家族も自分のこと以上に喜んでくれました。

オリンピックの開催について感じていること

(周りからは)期待してもらえてるという感じがします。その点では、地元出身の自分が出場できてよかったなと感じています。

プレッシャーを感じる部分はあったのでは

期待の裏返しだと思っています。自分はやれる限りのことをやるだけだと思っています。

両親と姉の影響

(両親は)サーフィンを全力でできる環境を僕のために作ってきてくれたので、感謝の気持ちでいっぱいです。母は、日々のコンディションを考えた食事を作ってくれます。父は、未だにサーフィンを見にきてアドバイスをくれます。姉は、プロ選手としてお互いを高め合える存在。家族や周りのサーファーが、いまの自分の土台を作ってくれました。

ボトムターンの完成度とポイントの攻略について

エルサルバドル世界戦のときに、ボトムターンはほぼ100%仕上がったと感じました。オリンピックでも使えそうです。(釣ヶ崎海岸ポイントは)割れはじめの波がぶ厚く、あとは速くブレイクするのが特徴。でも、コンディションは当日までどうなるかわからないので、波の攻略というよりは技の方を調整していきたいですね。

 

都筑有夢路


都築有夢路帰国後の隔離期間が明けたら

2日後に明けるので、気持ちを切り替えてオリンピックに向けて調整していこうと思っています。隔離期間中は、家で家族との時間を大切にして過ごし、世界戦で溜まっていた疲労をリフレッシュできました。

意識している海外選手は

カリッサ・ムーアです。(CTの)オーストラリアレッグやサーフランチでのサーフィンを見て、やっぱりすごいなと思いました。でも、海で戦う相手はあくまでも自分自身だと考えています。

CTを通して得たものは

大きい波をやってきたので、ライン取りを大きくすることができました。また、他の選手の動きも参考になりました。試合中のメンタルコントロールが、自分とはまだ差があるなと思っています。ただ技術面では、「あれをやれば勝てる」というのが自分の中にあるので、ずっとポジティブです。

試合前のルーティンは

砂浜で目を瞑って、「自分ならできる」と唱えています。覚えてないくらい、以前から実践してるルーティンです。

チーム「波乗りジャパン」について

オリンピックは4人で臨みますが、チームでありながらライバルでもあります。その中で、エルサルバドル世界戦の経験を生かして、メンタルコントロールして頑張りたいなと思っています。

自分にとってオリンピックの舞台は

金メダルを取りたいという思いが一番。コロナ禍で気分が落ち込んでいる方々に、私が頑張る姿を見てもらって、元気になってもらえたらうれしいです。

オリンピックに向けて重点的にする調整

試合では自分の力強いボトムターンを見てほしいので、小さい日本の波にライディングを合わせることを重点的に行なっています。ポイントを攻略するというよりは、メンタルを試合にフォーカスしていくようにしたいなと。努力の数が自分に自信をつけて落ち着かせてくれると思っているので、残り短い期間ですが頑張ります。

CT出場、そしてオリンピック出場決定までを振り返って

一時期、サーフィンやめたいくらい辛かったときがあったので、そこを乗り越えたおかげで、いまの自分があると思っています。一度CTに選ばれたけど、コロナ禍でなくなったときに何が正解かわからなくなってしまって、複雑だったのですが、家族や周りのサポートのおかげでここまで来ることができました。

家族の反応は

エルサルバドル世界戦などの海外大会で母のサポートを実感しました。日本に帰ってきてからも、美味しいご飯やリラックスをさせてくれて。代表決定を報告したときは、「よかったね。アムちゃんならオリンピックもいけるよ」とポジティブな言葉をかけてもらいました。

 

前田マヒナ


前田マヒナどのような準備をしているか

日本のジムでトレーニングです。内容は同じ。スピードとアジリティーを強化しています。

今までを振り返って

ジャパンオープンも、エルサルバドルも、勝てるとは思っていなかった。自分に重荷を背負わせないように、願いは口にせず、(心を)自由にやってた結果だと思っています。オリンピックもいい意味で大事に考えず、プレッシャーを感じないように自由にやりたいです。

周りの反応は

人生変わるんじゃないの、とよく言われますが、自分はそうは思いません。「オリンピックだから」ということではなく、あくまで試合のひとつとして臨んでいきます。

他国出身の代表選手が増えてきている中で感じることは

(日本代表として出場することを選択したときは)ハワイの人に嫌われれるかなとか、(一方で)日本でサポートしてもらえるかなと思ったけど、どっちを向いても、応援してくれる人は出てきます。周りを気にしすぎず、自分が思った通り、ハッピーにやりたいようにやるべきです。

うれしかった瞬間と、つらかった瞬間

毎日うれしい。周りにサポートしてくれる人が多くて、大好きなサーフィンを毎日やって、それを仕事にできてる。それだけでぜいたくな人生と思ってるから、毎日うれしいです。18歳から1年間、サーフィンから離れてたときが一番悲しかったし、落ち込んでました。でも、その日々がなかったら今はないと思っています。

メンタル面の工夫は

落ち着きたいときには編み物をしています。いまはカーディガンを作っていますが、試合のときはシンプルなマフラーを編んでいます。没頭できますから(笑)

波乗りジャパン、発進迫る


世界戦では村上舜との激闘を繰り広げ、代表入りした大原洋人 @Pablo Franco / ISAsurf

エルサルバドル世界戦での目覚ましい活躍が記憶に新しい、波乗りジャパン。

惜しくも代表入りを逃した村上舜・松田詩野の分まで、一団となって東京2020オリンピックに臨む。

開幕まであと16日。誇りを懸けた戦いが、そこまで迫っている。


大原洋人 @Pablo Jimenez / ISAsurf

競技スケジュール(7月25日〜8月1日)

東京オリンピック・サーフィン競技は7月25日〜8月1日の間、千葉県一宮市釣ヶ崎海岸サーフィンビーチ(通称:志田下ポイント)で行われる。メダル確定日は28日。

〈1日目〉7月25日(日)

時間種目07:00〜16:20・男子第1ラウンド
・女子第1ラウンド
・男子第2ラウンド
・女子第2ラウンド

〈2日目〉7月26日(月)

時間種目07:00〜16:40・女子第3ラウンド
・男子第3ラウンド

〈3日目〉 7月27日(火)

時間種目07:00〜14:20・男子準々決勝
・女子準々決勝
・男子準決勝
・女子準決勝

〈4日目〉7月28日(水)

時間種目08:00〜11:35・女子3位決定戦
・男子3位決定戦
・女子決勝戦
・男子決勝戦
・女子表彰式
・男子表彰式

※ スケジュールは7月25日〜8月1日の間の4日間で消化。そのため7月29日〜8月1日は実施未定。波のコンディションにより、スケジュール内で競技日が前後する。

サーフィン競技紹介ビデオ

同日、波乗りジャパンから競技紹介ビデオが公開された。観戦を楽しむ前に、競技サーフィンのルール・見どころを改めてチェックしよう!

NAMINORI JAPAN【サーフィン】競技紹介

text by 佐藤稜馬

 

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