昨季の日本最高峰ラグビートップリーグで最優秀新人賞に輝いた松橋周平が、3月4日、国際リーグのスーパーラグビー第2節でベンチ入り。日本から参戦2年目となるサンウルブズの背番号20をつけ、初陣を心待ちにする。「彼ら(ライバル)に勝る何かがない…

 昨季の日本最高峰ラグビートップリーグで最優秀新人賞に輝いた松橋周平が、3月4日、国際リーグのスーパーラグビー第2節でベンチ入り。日本から参戦2年目となるサンウルブズの背番号20をつけ、初陣を心待ちにする。

「彼ら(ライバル)に勝る何かがないと、試合に使ってはもらえない。彼らよりもジャッカル(接点でのボール奪取)に行けるとか、身体が強いとか、ハードワークできるとか…そういうところを見せていきたいですね」

 2016年度にリコー入りするや、開幕からNO8のレギュラーとして縦への推進力を披露。身長180センチ、体重99キロとトップレベルのFW第3列にあっては小柄だが、サンウルブズでの定位置争いへも意欲十分で臨んでいた。

 事実、身長190センチ以上の海外出身者らとの競合にあっても存在感をアピール。2月18日に福岡・ミクニワールドスタジアム北九州でおこなわれた壮行試合でも、防御に捕まったボール保持者への援護が力強かった。

 2月25日の開幕節(東京・秩父宮ラグビー場/対ハリケーンズ ●17-83)はスタンドで観戦した松橋だが、シンガポール・ナショナルスタジアムでの第2節では、オレンジのジャージィをまとう。相手のキングズは、力勝負を伝統芸とする南アフリカ勢だ。若武者はかねて「南アフリカの選手たちに自分のフィジカリティ、ハードワーク、ブレイクダウン(接点)でのスキルがどこまで通用するか」と対戦を楽しみにしていた。

 小兵が大男にパワー勝負を挑む…。その構図で、観る者を惹きつけるだろう。開幕前の取材時には、チームで活動する日々をこう語っていた。

「ミーティングでも聞かれる、答えなきゃというふうに、皆でやっている感じがする。選手とコーチが常に同じイメージを持っている状態です。毎日、スキルアップをしたいです。外国人にも負けないように…」

 2月1日に始動するや、全体練習後にはタックルのスキル練習に注力。ベン・ヘリング ディフェンスコーチにグラウンドの隅に呼ばれ、同じ働き場の金正奎らと肩を合わせた。

 相手の歩調を見て、細かいステップを踏みながら間合いを詰める。上半身をリラックスさせ、前へつんのめらないよう意識する。ここぞの場面で、しっかりと肩の中心をぶつける…。いくつかのチェックポイントを、ゆっくりした動きでの1対1で何度も確認してきた。

「ディフェンスでは足を止めると、抜かれる。これはもう、練習で意識して癖をつけないと…」

 千葉・市立船橋高時代は、全国クラスの大会とはほぼ無縁だった。進学した明大では下級生時から出番を得るが、トップリーグのスカウトが注視する3年時は左ひざの半月板を痛めて不完全燃焼に終わっていた。

 もっともその年のオフにメスを入れるや、持ち前の明るさでリハビリを乗り切る。その結果、インターナショナルレベルの舞台に立つこととなる。

 積み重ねてきた心技体を、攻守で発揮したい。(文:向風見也)