■7月3日/J1第21節 ベガルタ仙台 ― 浦和レッズ(ユアスタ) 後半戦最初の試合をホームで迎えたベガルタ仙台は、浦和…

■7月3日/J1第21節 ベガルタ仙台 ― 浦和レッズ(ユアスタ)

 後半戦最初の試合をホームで迎えたベガルタ仙台は、浦和レッズと引き分けた。前節・福岡戦までの8戦で7得点と異常な決定力を示すFWキャスパー・ユンカーにチャンスを作られたものの、守護神の神セーブも飛び出してシャットアウト。2連勝中のリカルド・レッズ“に対し、粘り強く戦い完封してみせた。一方で、好機を決められずスコアレスで試合終了。白星こそ掴めなかったものの、後半戦に期待を抱かせる内容だった。

 ユアテックスタジアムを包んだのは、黄金の戦士を勇気づける大きな拍手だった。その力強さはサポーターが勝利への期待を強く抱く内容だったからで、仙台は後半戦へのブレイクタイムを見事に進化の期間としてみせた。

 とはいえ、序盤は浦和にペースを持っていかれてもおかしくない展開だった。キャスパー・ユンカーに決定的なヘディングシュートを2度撃たれ、仙台のエース西村拓真が負傷交代したのだ。ユンカーのシュートが入っていれば一気に流れを持っていかれかねなかっただけに、GKヤクブ・スウォビィクのセーブは文字通りチームを救う最高のプレーだった。

 西村の負傷に関しては、手倉森誠監督が「西村のケガがゲームプランを少し狂わせた」と語るもので、「ケガによって後半にかける前線の圧力が、守って守って0-0から1点を取って勝つ、というゲームプラン」が崩れたものの、代わりに入ったFWフェリペ・カルドーゾが見事に代役をこなしてみせた。

■「腹八分」でシーズンイン

 現在降格圏に沈む仙台にとって、過密日程から解放されたこの2週間は恵みの期間だ。2020年シーズンに壊れた組織を、8年ぶりに復帰した指揮官は一つ一つ改善してきた。こうしたまとまった時間に、さらに積み上げができる。この1戦では、それを示すことができた。

 後半戦に向けて、この試合から逆襲のポイントが3つ感じられた。

 まず1つ目は、「攻守の構築」だ。この試合で仙台は、浦和の緻密なビルドアップに対する守備を用意した。前線からのプレスが特に序盤はハマり、GK西川周作から始まる攻撃構築を阻止。さらに、構えれば浦和の守備陣が縦にパスを付けれないポジショニングも取った。それでも浦和は、ユンカーが一度下がって縦パスを受ける場面からチャンスを作られたが、結果は無失点。

 ポーランド人GKの好セーブもあったが、シュートコースをなるべく限定させた最終ラインの助けもあったからこその無失点だった。好調な浦和に対して見せた粘り強さは、後半戦に向けてプラス材料となる。

 2つ目のポイントは、外国人選手の活躍だ。今季開幕に向けて仙台は、指揮官が「腹8分」と評価した補強具合でシーズンイン。開幕後に外国籍選手を3人獲得したが、コロナ禍で合流が遅れたことも影響し、直接チームに貢献したとは言い難かった。

■起爆剤となる3人の選手

 しかし、フェリペ・カルドーゾはこの試合でコンディションが上がっていることを8000人超えのサポーターを前に証明してみせた。浦和の屈強な守備陣に対し、そのフィジカルで圧倒。前線でタメと突破を見せると、それに引っ張られるように中盤でスペースや時間が生まれた。司令塔の松下佳貴はうまくボールを散らしたり縦に送り込むことに成功したが、ここにもブラジル人ストライカーの影響があったはずだ。

 そして終盤にサイドを幾度となく切り裂いたエマヌエル・オッティも、存在感抜群だった。縦に突破するだけでなく、内に入るクイックネスも持ち合わせるガーナ人ドリブラーは、ファールを繰り返しもらってはスタジアムを盛り上げた。ドリブラーにありがちな球離れの悪さもなく、一度出して受けることを体で理解している。

 鹿島戦で出場するや好セーブを連発したストイシッチも含め、新加入選手がもたらすものは大きいだけに、後半戦へ大きな起爆材となる。

 こうしたプラス材料がありながら勝てなかったのが、3つ目のポイントである「勝負強さ」だ。ここまでの仙台は、惜しい試合を何度も体感してきた。この試合、それが顕著に表れたのが後半のある場面だった。

いま一番読まれている記事を読む