テニスレジェンドのシュテフィ・グラフ(ドイツ)は、1988年に4つのグランドスラム全てで優勝、加えて「ソウルオリンピック…
テニスレジェンドのシュテフィ・グラフ(ドイツ)は、1988年に4つのグランドスラム全てで優勝、加えて「ソウルオリンピック」のシングルスで金メダル、ダブルスで銅メダルを獲得。未だに他の誰も達成していない記録を打ち立てた。彼女はその後、3つ目のメダルとなる女子シングルスでの銀メダルを1992年の「バルセロナオリンピック」で獲得している。ITF(国際テニス連盟)公式ウェブサイトで、グラフがオリンピックについて綴った。【関連記事】テニス界を沸かせたライバル関係 ~シュテフィ・グラフ×モニカ・セレス~【関連記事】20歳の新鋭、アガシ&グラフ夫妻とのスリーショットに「すごい経験!」の声
「比較のしようもない位に、オリンピックの表彰台に立って母国の国歌を聞く気持ちは素晴らしいものでした。心が最高の達成感と誇りに満たされていました。あの瞬間を忘れることは決してないでしょう。
同じテニスの試合で、同じ形式で、なのに他とは全く違うものでした。例えば“フェドカップ(現“ビリー・ジーン・キング・カップ”)”では母国を代表してチームを組んで試合をする。オリンピックでは1人の個人として、母国の為に試合をする。テニスで自分の為よりも、もっと大きいものの為に勝利することは、オリンピックだけが与えてくれる特別な名誉です。
テニスの世界は4本の柱を持っていて、そしてオリンピックがあります。それぞれに難しく、それぞれに報いがあります。求められたものと与えられたものを分けることは不可能です。母国の為に戦って勝利した喜び、数百万の人々とその瞬間を分かち合うことができました。
長い時がたちましたが、オリンピックの金メダルを受賞した時の気持ちをどう表せばいいかしら?信じられない!メダルは大切に保管してあります。
中でも一番楽しかった思い出は、ソウルとバルセロナで開会式に参加したことと、オリンピック村に滞在したこと。他の様々な種目の、様々な文化や背景を持つアスリート達と話ができたのは素晴らしかったです。どの国から来たかとか、何の種目の選手なのかなど、お互いに当てっこして楽しみました。
他の競技を生で見られたのも最高でした。陸上の大ファンなので、100メートル走の決勝が見られたのが最大の思い出になりました。チーム・スピリットや、自分の種目に全てを捧げている選手達を見ること、集まって互いに支え合っていたことなど、今も私に大切な影響を与えてくれています」
(テニスデイリー編集部)
※写真は最も有名なカップル、アガシとグラフ
(Photo by Rindoff Petroff/Suu/Redferns)