いよいよ夏競馬が本格的にスタート。今週から開催される福島では3歳馬のハンデ重賞、GIIIラジオNIKKEI賞(7月4日…

 いよいよ夏競馬が本格的にスタート。今週から開催される福島では3歳馬のハンデ重賞、GIIIラジオNIKKEI賞(7月4日/福島・芝1800m)が行なわれる。

 昨年は8番人気のバビットが逃げ切り勝ちを収め、3連単では17万3020円という高配当がついたように、夏競馬らしく波乱の多い一戦だ。過去10年の結果を振り返っても、半分の5回は3連単で10万円以上の高額配当が生まれている。

 ただでさえ荒れやすいレースにあって、今年の馬券検討においては、さらに難解を極める材料がある。それは、馬場である。日刊スポーツの木南友輔記者も「今年は春の福島開催がなかったので、2021年の開幕週。そこがポイントになりそう」と言って、こう続ける。

「梅雨時なので天気は気になりますが、意外なほどの良好な馬場で、高速決着になる可能性も頭に入れておきたいです」

 デイリー馬三郎の吉田順一記者も同様の考えを示す。

「今回の福島開催は、野芝が育ちきっていない時期の開催がなかったことが奏功し、近年まれに見るぐらいの、すばらしいコンディションで施行されそうです。週中や週末の天気が雨予報であっても、レース中にまとまった雨量がない限りは、そこまで馬場は荒れないでしょう。結果、馬場のよさを生かしたスピードや切れ味に秀でた馬にアドバンテージがありそうな気がします」

 ただ、馬場状態の見立ては同じでも、そこで浮上する馬の見立ては、双方異なる。まず、木南記者は「先行馬が中心」と見て、グランオフィシエ(牡3歳)に注目する。



現在2連勝中のグランオフィシエ

「2走前の未勝利戦(4月25日/東京・芝2000m)の勝ちっぷりが、とにかく強烈でした。同日のオークストライアル、GIIフローラSの勝ち時計(1分59秒4)と同等の勝ちタイム(1分59秒5)をマーク。7馬身差の圧勝劇を披露しました。

 前走の1勝クラス(6月13日/東京・芝2000m)も逃げる形になりましたが、2着馬に最後まで抜かせない走りを見せました。どこまで人気になるかわかりませんが、2連勝の勢いに乗っての重賞初挑戦で、ハンデ53kgは魅力です」

 そして、木南記者はもう1頭、アサマノイタズラ(牡3歳)も気になるという。

「デビュー前から『上毛(じょうもう)かるた(※群馬を代表する郷土かるた)』シリーズの馬名が気になって取材していて、厩舎の評価も高かった馬ですが、今回はトップハンデタイの斤量56kgを背負わされ、前走のGI皐月賞(4月18日/中山・芝2000m)での大敗(16着)も嫌われて、人気がなさそうです。しかしその皐月賞は、道中で1番人気ダノンザキッドとド突き合いとも言えるほどの激しい攻防を繰り広げて、結局共倒れ。度外視していいでしょう。

 スローペース、道悪の競馬ばかりで目立ちませんが、皐月賞で好位につけたように先行力が武器。高速決着も対応可能です。オークスをユーバーレーベンで制したあと、今年はダービーの出走がなかった手塚貴久厩舎ですが、『うちのダービーは(嶋田)純次(騎手)が挑むラジオNIKKEI賞』という声がスタッフから挙がるほど、今回はメイチの仕上げ。一発の期待が膨らみます」

 一方、吉田記者は、前が止まりにくい絶好の舞台、さらに重賞ということもあって、「ジョッキーの意識は早め、早め。前にいく馬がすんなりした流れに持ち込んで、そのまま粘り込んだり、押し込んだりするのは簡単ではなさそう」という見立て。そこで、昨秋のリステッド競走・萩S(10月31日/京都・芝1800m)を勝っているシュヴァリエローズ(牡3歳)に目を向ける。

「馬体はコロンとしたシルエットで、一瞬の脚よりは機動力と持続力を生かす形がベストな馬。前走のGI皐月賞(4月18日/中山・芝2000m)はメンバーが強力なうえ、外を回る形で11着に終わりましたが、GIIIレベルなら地力上位は明らか。斤量55kgも実績を踏まえれば、やや恵まれた印象があります。

 ダービーをパスして、ここを目標にしてノーザンファームしがらきとうまく連携して調整。1週前のCW追いでも好時計をマークし、シャープな切れ味を見せていました。およそ2カ月半の休み明けですが、いきなり能力全開といった仕上がりです。コーナー4つの競馬で、適度に上がりがかかりそうなのもプラスでしょう」

 吉田記者ももう1頭、推奨馬を挙げる。馬場が渋った際の穴馬として、ワザモノ(牡3歳)に期待を寄せる。

「雨馬場で前が積極的にいって、少しタフな展開になった時、浮上するのは追ってからしっかりとした伸び脚を生かせるタイプ。ワザモノは前走のリステッド競走・橘S(5着。5月9日/中京・芝1400m)、前々走のGIIニュージーランドトロフィー(7着。4月10日/中山・芝1600m)と敗れていますが、終(しま)いはしっかりと脚を使って、後方から着順を押し上げています。

 昨年暮れの1勝クラス・ひいらぎ賞(12月19日/中山・芝1600m)では、GINHKマイルCの覇者シュネルマイスターの2着となっており、地力もあります。ここまで7戦して、今回が初の1800m戦。人気の盲点となるのは確実ですが、侮れないと思いますよ」

 今年初の福島開催。馬場状態は絶好だというが、梅雨空がどう影響するのか。再び波乱含みの夏の3歳重賞。穴党記者厳選の4頭がオイシイ配当をもたらしてくれるはずだ。