WBSSプロモーター、カレ・ザワーランド氏インタビューvol.3 ボクシングのWBAスーパー&IBFバンタム級世界王者・井上尚弥(大橋)が世界的な知名度を一気に高めた舞台として知られるワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)。今…

WBSSプロモーター、カレ・ザワーランド氏インタビューvol.3

 ボクシングのWBAスーパー&IBFバンタム級世界王者・井上尚弥(大橋)が世界的な知名度を一気に高めた舞台として知られるワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)。今年秋にシーズン3の開催が決まったWBSSのプロモーターを務めるカレ・ザワーランド氏が「THE ANSWER」の単独インタビューに応じ、来年以降の開幕を目指すシーズン4で井上の昇格と同時にスーパーバンタム級大会の開催を画策している。(取材・THE ANSWER編集部)

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 ベルトと団体の乱立するボクシング界で、真の階級最強王者を決める「天下一武道会」として人気を集めたWBSS。シーズン1ではスーパーミドル級とクルーザー級の2大会、シーズン2ではクルーザー級、スーパーライト級、そして、井上が制覇したバンタム級大会がそれぞれ行われ、今秋の開幕を予定するシーズン3では130ポンド(スーパーフェザー級)の女子大会が行われる。

「私はイノウエにはWBSSの舞台で常に輝いて欲しいと願っています。来年以降に開催予定のシーズン4のスーパーバンタム級大会でモンスター参戦となれば、これ以上のことはないでしょう。オオハシジムとトップランクとも調整が必要になると思いますが、イノウエと我々のWBSSの物語は緊密に繋がっています。彼にとっては何よりも階級を統一する格好の機会になりますね」

 新シーズンは新型コロナ禍の状況から、1大会限定の開催となったが、シーズン4ではシーズン1、2と同様、複数階級での開催を目論んでいる。その青写真の中にはスーパーバンタム級大会の新設、そしてモンスターの参戦を描いている。

 スーパーバンタム級の世界では井上はこれまで通りの圧倒的な強さを見せることができるのだろうか――。ザワーランド氏の目には障壁は見当たらない。

「より体格の大きい、背の高いファイターとの戦いにいかにアジャストしていくかだと思います。ウェートはさほど変わらない。減量や調整法にもよると思いますが、2、3キロ増量することで、もっとパワーを出せるかもしれません。多少スピードは落ちるかもしれませんが、イノウエの凄さはスピードというよりもタイミングです。

 私は彼があと3から4階級上げたとしても活躍できると思っています。年齢の壁は存在します。年齢が上がれば、適応は難しいかもしれませんが、彼の調整のルーティーンは素晴らしい。モンスターの能力は突出している」

「彼はプロボクサーですから、ファイトマネーも極めて大事です。ですが、ボクシングの本質的な部分でもある、強敵を倒し、ナンバーワンであることを証明するという部分にも重きを置いています。そういう意味でWBSSは彼のキャリアにとって重要な意味合いを持つでしょう。彼は発表前に、WBSS参戦を自ら発表した最初のボクサーなんです。私はベッドで寝ていて、朝試合の結果をチェックしようと思ったら、イノウエが(2018年のジェイミー・マクドネル戦勝利後の)リングでWBSS参戦を公表したというニュースを見て、仰天したものです。あれはファンタスティックな思い出ですね」

 まずはバンタム級での4団体統一を最優先の目標に定める井上。悲願を叶え、スーパーバンタム級に昇格。そして同じタイミングでWBSSの開催&参戦となれば……。夢は広がるばかりだ。

(vol.4に続く)(THE ANSWER編集部)