公益社団法人日本ホッケー協会(会長:中曽根弘文)は11日、オンラインで記者会見を開き、1968年のメキシコ大会以来53年ぶりに五輪に出場する男子日本代表サムライジャパンのシギ・アイクマンヘッドコーチ(HC)、山下学主将(小矢部RED OX…

 公益社団法人日本ホッケー協会(会長:中曽根弘文)は11日、オンラインで記者会見を開き、1968年のメキシコ大会以来53年ぶりに五輪に出場する男子日本代表サムライジャパンのシギ・アイクマンヘッドコーチ(HC)、山下学主将(小矢部RED OX)、三谷元騎副将(ヴェルコスタ福井)が東京大会への意気込みを語った。

 記者会見の冒頭では男子強化本部長の安西浩哉チームリーダーが「シギHC就任後、2018年アジア競技大会で優勝するなど順調に強化が進んでいる。開幕まで42日で最後の仕上げ、最大限の準備をしていきたい」とコメント。

 2017年に就任したシギHCは日本の文化を取り入れながら強化してきた4年間を振り返り、「速いペースでも正確にプレーできる基礎技術が身についてきた。戦術的にはホッケーの原理原則を理解してきている。精神的には武士道、大和魂、あきらめないスピリットを持ったサムライのように逞しくなってきた」と語った。
 強化合宿中には選手たちに俳句を詠ませたり、選手に武将のニックネームをつけるなど日本文化への造形が深く、自身の理想とするリーダー像に坂本龍馬をあげるオランダ人指揮官の掲げる目標は「金メダル」。出場国のなかで「世界ランキングがもっとも低いことは理解している」と述べつつ、「持っているものを出せれば不可能はないと思っている」と情熱的に語った。

 そのシギHCから「リーダーシップがあり、選手たちからの信頼も厚く、豊臣秀吉のような存在」と評された山下主将は「守備は全員でカバーして、攻撃は足の速い選手が多くいるのでカウンターで攻めたい。目標は金メダル」と意気込みを語り、「(地元・富山では)まだホッケーといえばアイスホッケーのほうが有名。同郷の村田和麻選手にも注目してもらい、富山全体でホッケーが盛り上がるように頑張りたい」と地元愛のあるコメントを述べた。

 ロンドン、リオ五輪予選敗退を経験している三谷副将は「やっとオリンピックに出られることがうれしい。リーダーシップを持ってやっていきたい」とコメント。「世界で戦う術を教えてくれた」シギHCと、「付き合いが長く、チームの雰囲気を引き締めてくれる」山下主将とともに「金メダルを目指します」と力強く宣言した。シギHCが「新しい幕府を開いた足利尊氏のよう」と評する中盤の要が日本ホッケーの新たな時代を切り開く。