南米のクレーコート・シリーズは、2014年にアカプルコ(ATP500)がクレーからハードコートに変えた際にメジャー大会を失った。 日曜日に終わったリオ(ATP500)も、アカプルコの例に倣うのはほぼ確実と言われている。そしてそれは、キト…

 南米のクレーコート・シリーズは、2014年にアカプルコ(ATP500)がクレーからハードコートに変えた際にメジャー大会を失った。

 日曜日に終わったリオ(ATP500)も、アカプルコの例に倣うのはほぼ確実と言われている。そしてそれは、キトやブエノスアイレス、サンパウロといった、より小さなクレーコート大会にとっても終わりの合図となるかもしれないのだ。

 いわゆる「ラテン・アメリカ・クレーコート・ツアー」は、2月から3月初め----つまりハードコートの全豪オープンの直後で、いまやハードコートの大会となったアカプルコ、そして、威信あるハードコート大会であるインディアンウェルズとマイアミの前に来る。

 「私たちは、やや孤立した場所にいます」と「リオ・オープン」の大会ディレクターであるルイス・カルバーロはAP通信に語った。

 サーフェス変更の原動力は、昨年のリオ・オリンピックのためにバーハ・ダ・チジュカ地区に建てられた新しいオリンピック・テニス・センターだ。それは5000万ドルをかけて建設されたもので、ブラジル政府によって運営されており、現在は使われることなく空いていて、大会を必要としている。そしてそれはクレーコートではなく、ハードコートの施設なのである。

 カルバーロは注意深く話していたが、ATP会長のクリス・カーモード、そしてほかの南米大会のトーナメント・ディレクターたちと、この動きについて話し合っている最中だと認めた。

 「ハードコートに移行するというコンセプトについては、皆が合意しています」とカルバーロは、ほかの南米大会について言った。カルバーロの長年のゴールは「リオ・オープン」をインディアンウェルズやマイアミ、ほかの北アメリカや欧州、アジアのいくつかの大会のような、いわゆるATP1000レベルの大会にすることなのだ。

 南米のクレーコート・シリーズは、トッププレーヤーを引き寄せるのに苦労している。今年、リオは世界5位の錦織圭(日本/日清食品)と、9位のドミニク・ティーム(オーストリア)を惹きつけ、最終的にティームが優勝した。

 しかし比較してみると、ハードコートのアカプルコには今週、トップ10の選手が5人も出場しており、その中にはノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ラファエル・ナダル(スペイン)も含まれる。世界4位のミロシュ・ラオニッチ(カナダ)は出場を予定していたが、故障のため棄権した。

 ナダルは今年、リオの代わりにアカプルコでプレーする道を選んだ。ナダルは過去数年にわたり、リオのドローの花形スターだった。

 「もしリオがハードコートの大会だったら、私たちが何を得られるかを想像してみてください」とカルバーロは言った。「私たちはアカプルコと同じくらい、あるいは、もっといい選手を惹きつけられるかもしれません」。

 カルバーロは「ATPは固まったものである必要はなく」、若いプレーヤーに適応するため変更を施す必要がある、と言う。

 「現在のツアーの状況を考えると、ハードコートの大会のほうがフィットするだろうと私たちは信じています」とカルバーロは言った。「新世代は、よりハードコートに焦点を合わせています」。

 ここまで獲得したシングルス・タイトル8つのうち、6つをクレーコートで獲っているティームは、そのような変更が起こることを予期していた。

 「ツアー全体が、ますますハードコートの方向に向かっている」とティームは言った。「ロラン・ギャロス(全仏オープン/クレーコート)とウィンブルドン(グラスコート)を例外に、もっとも重要な大会のほとんどはハードコート上でのものだ。もしハードコートに変わっていくというなら、僕らもそれに慣れていかなければならないだろう」。

 「リオ・オープン」はここ4年というもの、リオの競馬場であるジャッキー・クラブに一時的に設置されるクレーコート上でプレーされてきた。それは町でもっとも上品な上流階級向けの場所にあり、郊外のバーハ・ダ・チジュカへの移動は、大会を町の中心から引き離すことになる。

 大会は、IMG(インターナショナル・マネージメント・グループ)と、アラブ首長国連邦の国営投資企業、ムバダラによるジョイントベンチャーだ。

 国際テニス連盟(ITF)はオリンピックの会場が使用されることを望んでいる。そして、それは早ければ早いほどよいと考えている。

 「ITFは、オリンピックの会場が将来、世界クラスの大会に使用されることを願っています」と、ITFは声明文の中で言った。

 あらゆる変更は、まずATPによって承認されなければならないが、ATPはまだ公の場ではそれについて何も語ってはいない。AP通信への電子メールの中でATPは、変更を行うのに理論のかなった場所は2019年のカレンダーにおいてだろう、と言っている。もっともカルバーロは、より早く実現するかもしれないと示唆しているのだが…。

 「ここで何が得られるかを想像してみてください」とカルバーロは言った。「きっと素晴らしいでしょうね。理にかなったことです。我々の地域はビッグな何かのための準備ができています」。

 しかし、そのための最初の動きは“クレーから去る”ということを意味している。(C)AP