WBSSプロモーター、カレ・ザワーランド氏をインタビューvol.2 ボクシングのWBAスーパー&IBFバンタム級世界王者・井上尚弥(大橋)が世界的に一気に知名度を高めた舞台として知られるワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)。…

WBSSプロモーター、カレ・ザワーランド氏をインタビューvol.2

 ボクシングのWBAスーパー&IBFバンタム級世界王者・井上尚弥(大橋)が世界的に一気に知名度を高めた舞台として知られるワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)。今年秋にシーズン3の開催が決まったWBSSのプロモーターを務めるカレ・ザワーランド氏が「THE ANSWER」の単独インタビューに応じ、「イノウエがパウンド・フォー・パウンド(PFP)のナンバーワン」と断言。海外メディアでトップ評価される4階級制覇王者のカネロこと、サウル・アルバレス(メキシコ)が1位に君臨する現状に持論を展開している。(取材・THE ANSWER編集部)

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 井上はWBAスーパー&IBF世界バンタム級タイトルマッチで挑戦者のIBF1位マイケル・ダスマリナス(フィリピン)に3回2分45秒TKO勝ち。圧巻の左ボディーで格の違いを見せつけた。

 それでも、権威あるボクシングの米専門誌「ザ・リング」の最新版PFPでは、井上は2位で変わらず。1位の牙城はカネロがキープしている。

 ザワーランド氏は「個人的にはイノウエがPFPのナンバーワンなんです。この主張は変わりません。パワーという観点から見ていきましょう。デオンテイ・ワイルダー(元WBC世界ヘビー級王者)こそが最強パンチャーという声もありますが、イノウエに匹敵する存在はいません」と断言した。

 21勝(18KO)とKO率85%以上を誇るモンスターのパワーを称賛した上で、リング上で冴え渡る頭脳も高く評価。「彼の卓越したボクシングIQを忘れてはいけません。まるでチェスの名手です。相手を完璧に追い詰めて、最後は獲物を仕留めるサソリのような鋭さを見せつけます。元世界王者相手あれだけのファンタスティックな勝利を重ねています。あの強さは表現できませんね」と卓越したボクシングIQにも着目している。

カネロは過去の経緯指摘「資質を疑われる問題あった」

 権威ある米専門誌「ザ・リング」など、海外メディアでPFP1位評価を受けているカネロについては、ザワーランド氏は「現時点で素晴らしいパフォーマンスを見せています。全盛期であることに疑いの余地はありません。しかし、カネロはフロイド・メイウェザーに負けています。ボクサーとしての資質を疑われるような問題もありましたね」と物言い。カネロが2013年9月にマネーこと、無敗の元5階級制覇王者のメイウェザー(米国)に判定負けを喫した一戦と、18年にドーピングスキャンダルで物議を醸した経緯を指摘している。

「私がなぜカネロがPFPのナンバーワンに選ばれているのか理解できます。彼はラテンアメリカ出身で、熱狂的なボクシングファンの国(メキシコ)です。だからこそ、彼をナンバーワンにする、政治的な部分も存在するのでしょう」

 かつて「惑星一のパンチャー」と井上を絶賛していたザワーランド氏は、持論を展開していた。

(vol.3に続く)(THE ANSWER編集部)