第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2大会ぶりの優勝を狙う野球日本代表「侍ジャパン」は、1日に行われたCPBL選抜チャイニーズ・タイペイとの強化試合第2戦に9-1で圧勝し、2017年初勝利を飾った。この試合では、先発の菅野智…

第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2大会ぶりの優勝を狙う野球日本代表「侍ジャパン」は、1日に行われたCPBL選抜チャイニーズ・タイペイとの強化試合第2戦に9-1で圧勝し、2017年初勝利を飾った。この試合では、先発の菅野智之投手(巨人)が4回無失点の好投を見せると、打線も山田哲人内野手(ヤクルト)の先頭打者弾で突破口を開き、機動力を生かした攻撃で相手のミスを突きながら大量9点をもぎとった。

■4番・筒香の後ろを打つのは…「翔のままでいくのか、内川なのか…」

 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2大会ぶりの優勝を狙う野球日本代表「侍ジャパン」は、1日に行われたCPBL選抜チャイニーズ・タイペイとの強化試合第2戦に9-1で圧勝し、2017年初勝利を飾った。この試合では、先発の菅野智之投手(巨人)が4回無失点の好投を見せると、打線も山田哲人内野手(ヤクルト)の先頭打者弾で突破口を開き、機動力を生かした攻撃で相手のミスを突きながら大量9点をもぎとった。

 この日の侍ジャパンの戦いを、第1回、第2回WBC優勝メンバーで、現在はルートインBCリーグ福島ホープスで選手兼監督を務める岩村明憲氏は、どう見るのか。日本代表のOBでもある岩村氏は、この日のポイントは「秋山(翔吾)から始まった5回の攻撃だったね」と話す。

「1点リードしていたとはいえ、あの膠着した試合の中盤で追加点が入ったことは大きかったよね。秋山のヒットに坂本(勇人)の四球で続いた後、4番・筒香の打順でリスクもあっただろうけど、あそこでよく(重盗の)勝負をした。もちろん、守備隊形を見ての判断だったと思うけど、走者が一、二塁から二、三塁になって、さらに内野守備が下がったから、内野ゴロでも1点が入る形を作れた。結果として打者の筒香を楽にしたよね」

 6回には相手ミスに乗じて作った1死満塁のチャンスで、4番・筒香が左翼へ2点適時打を放ち、さらに点差を広げた。筒香は前日にも左翼線二塁打で先制点を演出。侍ジャパン打線でただ1人3試合連続安打をマークするなど、バットは好調を維持する。本番では、4番として対戦相手から警戒されることも増えるだろう。

■岩村氏が中田に伝えていたこととは…

「筒香は3回の見逃し三振が悔しいんじゃないかな。1死一、二塁でカウントは1ボール2ストライク。あそこで内角の真っ直ぐは考えていなかったんだと思う。日本じゃ、あまり見られない攻め方だから。でも、本番のためには想定しておいた方がいいね。

 予言とは言わないけど、2試合連続で左翼へタイムリーを打っていることを、対戦国のスコアラーはしっかりチームに報告する。そうなると、内角攻めは避けられないと思うよ。あとは筒香の後ろを誰が打つのか。(中田)翔のままでいくのか、内川(聖一)なのか。これも大きく関係してくる」

 侍ジャパン合流以来、なかなか打撃での結果が現れずにいるのが、5番を打つ中田だ。2月28日にようやく初安打が生まれ、3月1日にはセンターへの犠牲フライで1打点を挙げた。小久保裕紀監督は「基本的にはクリーンナップは変えない」と話すと同時に「彼(中田)が打たないと筒香が生きない」とハッパを掛けている。

 実は1日の試合前、打撃練習を終えた中田は、球場を訪れていた岩村氏とベンチでしばらく話し込んでいた。岩村氏はこの時「もう少し間を取れるようになるといいんじゃないか」と声を掛けたという。

「調整の段階だと分かっていても、結果が出なくてイラつくこともある。だがら、気心知れた奴が一言声を掛けるだけでも違うだろうと思って話をしたんだよ。自分の経験も踏まえて言えば、本番になれば否応なしにスイッチは入る。プロだから。俺はそんなに心配はしてないけれど、中田翔は日本の打線とって大事な存在。彼が生きれば、打線全体が生きてくるからね」

 この日、CPBL選抜打線をしっかり抑えた菅野智之、石川歩の両投手については「敢えて褒めないよ」と言う。その理由とは……。

■「どこから本番を想定するのか」、「本番でも青木を1番で使うのか」―

「彼らは抑えて当然の力を持っているから。俺に言わせたら、抑えて当たり前。打者を相手に諸々確認できたことは収穫かな。でも、菅野と石川の2人は実力通りの投球を見せてくれたんじゃないかな」

 7日の1次ラウンド初戦キューバ戦まで、強化試合を2試合残すのみだ。この2試合で日本はどうやって調整をしていくべきなのだろうか。

「どこから本番を想定するか、だよね。監督は、残り2試合で青木(宣親)の1番起用を明言しているようだけど、本番でも青木を1番で使うのかどうか。ただ打席数を重ねさせたいから1番で使うのだったら、あまり意味はないんじゃないかと思う。それよりも、本番で起用する打順で打たせるべきだよね。

 みんなチームを代表する打者ばかりだから、普段慣れない打順を任されることもある。俺も2009年には9番を打つことになったから。でも、あの時は原(辰徳)監督から俺が9番を打てばチームにどんなメリットがあるのか説明を受けたんだよね。それぞれの打順にはどういう役割があって、どうして俺がそこを打つべきなのかって。だから、今回もしっかり選手に起用の方法を説明すると、彼らもやり甲斐を持てるんじゃないかな」

 侍ジャパンは3日に阪神、5日にオリックスと強化試合を行い、7日のキューバ戦を迎える。岩村氏が話すように、小久保監督はどちらの試合から本番想定のラインナップを投入するのか。まずは3日の先発オーダーに注目が集まりそうだ。