「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月28日~7月11日/グラスコ…

「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月28日~7月11日/グラスコート)のセンターコートで1回戦に臨んだ2人、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)とアドリアン・マナリノ(フランス)が立て続けに足を滑らせて負傷し、棄権する羽目になった。グラスコートのコンディションに対するコメントを米テニスメディア Tennis.comなど複数のメディアが報じている。【大会概要】錦織圭やフェデラーも出場!「ウィンブルドン」【関連記事】セレナに予想外の幕切れ。41歳の元チャンピオンが大会90勝目[ウィンブルドン]

29日、センターコートで先に行われた男子シングルス1回戦で世界ランキング41位のマナリノは、第1セットを奪われたものの、その後2セットを取り、ロジャー・フェデラー(スイス)を追い詰めていた。ところがマナリノは第4セット半ば、足を踏ん張った際に右膝を捻ってしまい、第5セットに入って間もなく棄権を余儀なくされた。

マナリノの方が優勢だったと試合後に話しているフェデラーは、「決して起きてほしくないような、本当に残念な終わり方だった」とコメント。「僕自身も膝の怪我には悩まれてきたから落ち込んだよ。同じように膝を痛めてしまった彼が早く復帰できることを願っている」と相手への気遣いを見せた。コートの滑りやすさについてフェデラーは、「彼に起こったことを見れば、動くことが時々どれほど難しく、複雑になるかがわかるだろう。僕もサーブ&ボレーをしている時にほんの少しだけ滑ってしまったんだ。そういうところにも集中力が必要になる。1回戦で負けたくなければ、コートのコンディションとも戦わないといけない」と話している。

悲劇はそれだけで終わらなかった。その試合に続いて同じくセンターコートで開催された女子シングルス1回戦で世界100位のアリャクサンドラ・サスノビッチ(ベラルーシ)と対戦したセレナも、試合開始から30分あまりで棄権。2回スリップしたことによりハムストリングを痛めたようだ。

いずれの場合もセンターコートの屋根は閉まっており、室内は蒸し暑く、芝生は滑りやすくなっていた。注目選手の試合が立て続けに棄権によって終了したため、「ウィンブルドン」のグラスコートのコンディションが話題になっている。

センターコートが使われるのは、毎年「ウィンブルドン」が開催される2週間の間のみ。この大会のためだけにコートをきれいな状態に保つため、それ以外の日は立ち入り禁止となっている。主催者のプライドにかけて完璧な状態が保たれているセンターコートは、多くの選手がプレーすることによって段々と擦り減り、柔らかさも失われていくが、最初の数日は芝が青々としていて柔らかい。これは例年と変わらない条件であり、「ウィンブルドン」を8回制覇しているフェデラーも、大会序盤で芝が滑りやすいのは今年も同じだと話す。

第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)も、地元期待の19歳、ジャック・ドレイパー(イギリス)との1回戦が行われたセンターコートで、何度か足を滑らせていた。同じく大会初日のセンターコートに立った元世界王者アンディ・マレー(イギリス)も、「セレナにとっては残酷な結果となったが、センターコートはとても滑りやすい。動きが難しくなる」とTwitterに綴っている。

今年は初日から雨が続いており、湿気を吸った芝は一段と滑りやすくなっているのかもしれない。だが、主催者側は声明の中で「我々は最新のグラスコート技術を把握してそれらを活用し、あらゆる天候に備えて日々の状況に対応している」と万全の体制を強調している。また、例年より暑く乾燥した天候の中で行われた2017年の大会では、逆にコートが乾き過ぎたことによってスリップが多発したと批判を招いていた。

天然素材であるグラスコートとはそういうものだと、選手は受け入れるしかないようだ。そこで生まれるドラマこそが、「ウィンブルドン」の醍醐味と言えるだろう。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ウィンブルドン」で転倒したジョコビッチ

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)