山田はこの日、セカンドで先発。DHではまだ思うような結果を残せていない。この試合は“休養“となった絶好調の菊池涼介内野手(広島)をスタメンから外すことは考えにくく、山田はWBC本番では二塁ではなくDHで出場する可能性が高まっている。史上初の…

山田はこの日、セカンドで先発。DHではまだ思うような結果を残せていない。この試合は“休養“となった絶好調の菊池涼介内野手(広島)をスタメンから外すことは考えにくく、山田はWBC本番では二塁ではなくDHで出場する可能性が高まっている。史上初の2年連続トリプルスリーという偉業を達成した強打者が、不慣れな“ポジション”でしっかりを結果を残せるかによって、日本の結果も左右されそうだ。

■好調の菊池が“休養”で二塁スタメン、「違和感なく試合に臨めました」

 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2大会ぶりの世界一を目指す野球日本代表「侍ジャパン」は1日、ヤフオクドームで壮行試合・台湾リーグ選抜戦に臨み、9-1で快勝した。前日は5-8で敗れた相手に“雪辱”。打撃の調子が上がっていなかった1番の山田哲人内野手(ヤクルト)が先頭打者弾を放ち、チームを波に乗せた。

 ただ、山田はこの日、セカンドで先発。DHではまだ思うような結果を残せていない。この試合は“休養“となった絶好調の菊池涼介内野手(広島)をスタメンから外すことは考えにくく、山田はWBC本番では二塁ではなくDHで出場する可能性が高まっている。史上初の2年連続トリプルスリーという偉業を達成した強打者が、不慣れな“ポジション”でしっかりを結果を残せるかによって、日本の結果も左右されそうだ。

 試合前、小久保監督は2試合連続3安打と好調だった菊池については「休みです」と明言。DHで内野安打1本のみの8打数1安打と調子が上がっていなかった山田を本職の二塁で起用するとした上で「勝つためには山田の状態が上がってこないとキツイ。(守備で)バッティングにいい影響が出て、きっかけになってくれればいいというオーダー」と話していた。

 その期待に応え、山田は初回に左中間へ先頭打者弾。試合後には「ヒット性の当たりは出ていたので、あとは結果につながるかどうかだと思っていた」と振り返り、二塁での出場について「違和感なく試合に臨めました。慣れているというのがあるので」と本音を明かした。

 打撃の状態は確実に上がってきている。「何となくですけど、いつもの自分のスイングが出来てきている。ボールの見え方とか、ストライクゾーンがここからここまでという判断も出来ている」。本人も確かな手応えを感じている。

■小久保監督も経験したDHの難しさ、慣れるために「情報収集」を続けた山田

 ただ、やはりDHとしても確かな結果が欲しいところだろう。シーズンと同じ二塁で出場するのとでは当然、リズムなどに大きな違いがある。本来は二塁を守っているはずの時間にベンチに座っていれば、いざ打席に入った時に、この日はなかったという「違和感」があってもおかしくない。

 試合前、自身もDHを経験した小久保監督は「僕は(ベンチ)裏にいて、打席に来たら明るく見えすぎて、守備のときもベンチまで来て立っているようにしていた。裏でティー(打撃)とかして準備していたんだけど、それだと打席に入った時に目がチカチカした。僕も監督に『(DHと守備と)どっちにする?』と聞かれたら、『守ります』と必ず言ってましたから」。本来は守るはずの選手が、DHとして出場することの難しさは誰よりも分かっている。だからこそ、この日は二塁で起用してリズムを作らせた。

 ただ、圧倒的な守備力を誇る菊池が打撃も好調となれば、スタメン起用は確実。その場合、二塁以外は守らせないという方針を固めている山田はDHで出場するしかないだけに、WBC開幕前に出来るだけ慣れておきたいところだ。本人も「(DHでの出場について)色んな方に聞いて頭に入れて情報収集して試している」と努力を続けている。参考になったものを聞かれると「秘密です」と煙に巻いたが、少しずつ不慣れな“ポジション“でも手応えを掴みつつあるようだ。

 球界最高レベルの実力を誇る山田と菊池の“共存“へ――。山田がDHとして結果を残せれば、侍ジャパンのチーム力は大きく上がる。