総合格闘技イベント「RIZIN.29」が27日丸善インテックアリーナ大阪で開催された。この試合のメインイベントとなった、4選手による「ワンナキックトーナメント」では、決勝戦で皇治と白鳥大珠が対戦。3ー0で判定勝利した白鳥がトーナメント優勝…
総合格闘技イベント「RIZIN.29」が27日丸善インテックアリーナ大阪で開催された。
この試合のメインイベントとなった、4選手による「ワンナキックトーナメント」では、決勝戦で皇治と白鳥大珠が対戦。3ー0で判定勝利した白鳥がトーナメント優勝を飾った。
本誌では今回のキックトーナメントの戦評を、立ち技打撃格闘技「RISE」初代スーパーフライ級王者・田丸辰にインタビュー。
試合の印象や、勝負を分けたポイントについて聞いた。
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「想像以上の結果となりびっくり」
1回戦では皇治VS梅野源治、白鳥VS髙橋亮がそれぞれ激突。
だが、先に行われた皇治VS梅野の試合では、開始序盤で皇治による偶発性のバッティングにより梅野が顔面を負傷。試合続行不可能と判断され、試合はノーコンテストに。協議の結果、皇治が決勝進出となった。
事前の試合予想では、前に出て戦う皇治と距離をとる梅野、どちらが自分の戦いをするかをポイントに挙げていた田丸。
今回の試合では開始直後から皇治が前に出て攻める形となったが、この試合をどのように見ていたのだろうか。
「今回バッティングという形になりましたが、梅野選手は遠い距離が上手い選手で、その距離にさせたくなかった皇治選手がガンガン前に行こうという作戦だったと思います。その中で、前に行く分頭が当たってしまうということは仕方ないことではあるのかなと思いますね」
激しい打ち合いの中でのバッティングについて、自身も試合中何度か相手から受けたことがあるという田丸は、
「故意ではなくても起こりうることではあると思いますが、反則の技なので、そこは気をつけて戦わなければいけないと思います」
と、激しい攻防においてもケアをする必要性について言及した。
一方、圧倒的な力の差を見せつけ、決勝に進出したのは白鳥。
先の予想では、どれだけ白鳥が圧倒して勝利するかをポイントとしていた田丸だったが、まさにその通り、白鳥の1RKO勝ちとなった。
この試合について田丸はこう振り返る。
「自分が思っていた以上に白鳥選手の仕上がりが良かった印象でした。想像以上の結果となりびっくりしましたね」
これまでKO負けの無かった髙橋をKOで下した白鳥については
「白鳥選手自身、2連敗してる中での今回のトーナメントだったので、やってやるぞという気持ちで練習も挑んでいたと思いますし、その結果が表れていたのではないかと感じました」
と、白鳥の気持ちが全面に出た戦いだったと振り返った。
勝敗を分けたポイントは「距離感」
想定外の結果となった1回戦ではあったものの、協議の結果皇治VS白鳥で行われた決勝戦。状況は違えども互いにノーダメージで迎えた試合となったが、両者の戦いを
「白鳥選手が一度ダウンを奪い、本当に上手く戦っていたという印象ですね」
と振り返る田丸。そのダウンが大きかったと話すが、今回勝敗を分けたポイントについてこうコメントしている。
「皇治選手が前に前に入ってくるのに対して、白鳥選手は入ってきた分だけ下がるという距離感をすごく意識して戦っていたように感じました。そこの距離感というところで、白鳥選手がうまかったのかなと。皇治選手も前に出てきていましたが、基本的に白鳥選手の距離で戦っていた感じに思えました。ダウンを奪った場面では皇治選手が得意としている近い距離から、自分の距離を使ってフックを打つという持ち前のボクシング技術が光っていたように感じましたね」
序盤からダウンを奪われクリーンヒットも多かったものの、持ち前の打たれ強さを発揮して3Rを戦い抜いた皇治。
この点について田丸は
「打たれ強さももちろんですが、気持ちも強いですよね。ダウンを取られても前に出るし、本当気持ちの強い選手だなと思いましたね」
と、皇治の気持ちの強さについて改めて感じたと口にした。
決勝戦では1Rのローブローや3Rのバッティングにより2度に渡り試合が一時中断される場面も見られた。特にダウンを奪われ攻め続けられていた皇治にとって1Rのインターバルというのは有利にはたらき、結果としてその後持ちこたえられたことにも繋がったように思えたが、この局面での試合一時中断について田丸は、自身の経験も踏まえこう語る。
「自分にとっていい流れができている時に試合が止まってしまうと、流れも止まってしまい、また一からだという感じはあります。ただ、選手によっては試合が止まっても関係ないという人もいると思います。まあでも、自分の流れができている時に試合が止まるのは、あまりいいことではないかなと思いますね」
今回不測の事態はあったものの、「RIZIN」のメインという舞台で行われたキックボクシングの試合。少なからず格闘技ファンにその魅力が伝わった部分もあっただろう。
来月には自身が出場する「RISE DEAD OR ALIVE-53kgトーナメント」も控えている田丸。最後に、そのトーナメントでどのような盛り上がり、そして試合を見せたいか聞いた。
「出場する8人全員が、最強と言われていたようなトップクラスの選手たち。トップレベルの技術や53kg級でしかみせられないスピード感というところを楽しんでもらえたらなと思っています。その中で僕が頭一つ二つ抜けているといったことをみせていきたいですね」
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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