■長崎対磐田の上位対決は0対0のまま後半に突入し サックスブルーが勢いを増している。 6月26、27日開催のJ2第20節…
■長崎対磐田の上位対決は0対0のまま後半に突入し…
サックスブルーが勢いを増している。
6月26、27日開催のJ2第20節では、2位のジュビロ磐田と5位のV・ファーレン長崎との上位対決が注目を集めた。
どちらも好調を維持している。長崎は松田浩監督が就任した13節から、7戦負けなしの5連勝を飾っている。しかも、5試合連続でクリーンシートを記録している。
磐田も好調だ。5月1日の11節から、9戦負けなしの6連勝中だ。そして、6試合連続のクリーンシートである。
長崎が勝てば、両チームの勝点差は「5」に縮まる。一方、磐田が勝てば「11」に広がる。どちらのチームも勝点3が欲しい一戦は、磐田が攻めて長崎がしのぐ構図で進んでいく。後半に入って遠藤保仁の右足ミドルがバーを叩くなど、磐田に得点の気配が漂う。ホームの長崎は69分に左CKから決定機をつかむが、カイオ・セザールのヘッドはゴールカバーのルキアンに蹴り出される。
スコアが動いたのは73分だった。
右CKをGK三浦龍輝がキャッチすると、山本康裕を経由して鈴木雄斗へパスがつながる。最前線では小川航基が、2人のDFと駆け引きをしながらスペースを見つけている。この試合がJ2リーグ通算200試合出場となった鈴木は、「(小川は)一瞬でマークを外して動くプレーを数多く見せていたので、逃しちゃいけないなという思いで練習からやっていた」という言葉どおりに、背番号9へ絶妙なスルーパスを通した。
■東京五輪のエース候補と呼ばれた小川がV弾
鈴木からのパスを受けた小川は、ファーストタッチで左斜め前へ持ち出して左足を振り抜く。相手GKの左手をかすめたボールが、ゴール右スミへ吸い込まれた。
「ようやく決められたなというところで、なかなか出場機会もつかめず、ゴールを決められずにいたので、悔しい気持ち、歯痒い気持ちがありました。今日の試合はチームにとってホントに大事になると思っていたので、決められて良かったです」
今シーズンの小川は、開幕戦にスタメンで起用されたものの、その後は途中出場が続いていた。前節まで15試合に出場していたが、プレータイムが10分に満たない試合が7試合を数えていた。
1997年8月8日生まれの23歳は、東京五輪世代のストライカーである。19年12月には東京五輪世代を中心に編成された日本代表に選出され、韓国で行なわれたE―1選手権に出場した。香港との第2戦で代表デビューを飾ると、ハットトリックを達成した。20年1月開催のAFC U―23選手権にも出場した。小川は『東京五輪世代のエース候補』と呼ばれ、FWのポジション争いの先頭に立つ瞬間は確かにあった。
しかし、今年3月から活動を再開させたU―24日本代表には、一度も招集されなかった。上田綺世(鹿島アントラーズ)、前田大然(横浜F・マリノス)、林大地(サガン鳥栖)らがJ1で結果を残しているのに対して、小川はJ2の磐田でポジションをつかめていないのだ。アピールに欠けたのは間違いなく、今月22日に発表されたメンバーに彼の名前はなかった。
「ものすごく悔しい思いをしていますし、こういった状況になってしまったのは、間違いなく僕自身の責任だったと思っています」
メンバー発表後初のリーグ戦であげた今シーズン初得点は、1対0の勝利に結びついた。
磐田は1トップを務めるブラジル人FWルキアンが好調で、経験豊富な山田大記、大津祐樹、大森晃太郎らが2シャドーに入る3-4-2-1が、今シーズンの基本的なシステムだ。すでに10得点をマークしているルキアンは、守備面での献身性も見せている。
攻撃陣の充実ぶりを見ると、小川は引き続きスーパーサブのような役割を担っていくのかもしれない。それでも、「ここから波に乗れたら」と話す186センチのストライカーは、得点を積み重ねることで自らの存在意義を証明していくのだろう。