アラブ首長国連邦・ドバイで開催されている「ドバイ・デューティーフリー選手権」(ATP500/2月27~3月4日/賞金総額242万9150ドル/ハードコート)の男子シングルス1回戦で、第1シードのアンディ・マレー(イギリス)がマレク・ジャ…

 アラブ首長国連邦・ドバイで開催されている「ドバイ・デューティーフリー選手権」(ATP500/2月27~3月4日/賞金総額242万9150ドル/ハードコート)の男子シングルス1回戦で、第1シードのアンディ・マレー(イギリス)がマレク・ジャジリ(チュニジア)を6-4 6-1で破った。マレーは帯状疱疹にかかった時期から抜け出たばかりかもしれないが、この試合を見る限り、非常にいい調子であるという印象を与えた。

 マレーは、1月の全豪オープン4回戦でミーシャ・ズベレフ(ドイツ)に敗れて以来、初の試合をプレーしたことになる。

 マレーは、具合が悪くなったときに帯状疱疹ではないかと最初に示唆したのは義理の母で、翌日に医者が診断したと話した。

 「基本的に、お尻やお腹の上に発疹が出ていたんだ。それほどひどくはなかったんだが」とマレーは言った。「最初は、それほど気にしていなかった。それから妻の母がいっしょに食事をしているときに、僕が(それに関して)“ほんとにいらいらするよ”と言ったら、“ズボンを脱いで私に見せなさい”“帯状疱疹に違いないわ!”って」。

 第1セットの序盤、ジャジリはマレーのサービスをブレークして2-1とリードを奪ったが、それが、彼がこの試合でコントロールを手にした唯一の瞬間だった。

 「言うまでもなく、第2セットのほうが楽だった。第1セットの特に出だしは厳しかったよ」とマレーは言った。

 「彼(ジャジリ)とは、これ以前に対戦したことも、練習する機会を持ったこともなかった。彼のテニスに慣れるのに少し時間がかかったんだ」

 この試合で、ほかに唯一予想外のことが起きた瞬間は、マレーが6-4 3-1とし、リターンで0-40とリードしていたときだった。ジャジリが眩暈を覚えたため、フィジオセラピストをコートに呼んだのだ、とのちに説明している。脈をチェックしてもらったあと、ジャジリはコートに戻り、試合を最後まで行った。

 マレーとは違い、前年度覇者で第2シードのスタン・ワウリンカ(スイス)はダミアー・ジュムホール(ボスニア・ヘルツェゴビナ)に6-7(4) 3-6で敗れ、1回戦を切り抜けられなかった。

 これは世界ランキング3位のワウリンカにとって、ロジャー・フェデラー(スイス)に敗れた、1月の全豪オープン準決勝以来の試合だった。

 「いいスタートを切ったと思うが、厳しい試合だった」とワウリンカは言った。「1ヵ月プレーを休んだあとのカムバックだ。僕は故障から回復しなければならなかった」。

 彼は故障した右膝をいたわりながらメルボルンを去り、今大会の一週間前に通常の練習を始めたばかりだった。

 「この大会でよかったことは、膝の感じがいいということだ」とワウリンカは言った。「痛みはまったく感じない。まだ注意を怠らないようにする必要はあるけど、それが今日、唯一のポジティブな点だよ」。

 第1セットのワウリンカは、あっという間に4-1とリードを奪った。

「6、7分のうちに3ゲームを取った彼は、素晴らしいプレーをしていた」とジュムホールは言った。「僕はボールに触ることすらできなかったよ」。

 しかしその時点から、ワウリンカはペースを落とし、躊躇いがちになりつつあるサインを見せ、ジュムホールが試合の中に戻ることを許し始めるのである。

 「僕は、彼がプレーレベルを落とすよう祈っていたんだ。それが、実際に起きたことだった」とジュムホールは言う。「そして僕は戦い、奮闘し始めた」。

 ジュムホールは第2セットで5-1とリードしたが、あとは自分のサービスをキープすれば勝利、というゲームでナーバスになってしまう。第7ゲームでプレーした10ポイントのうち、彼は3度ダブルフォールトをおかし、3つ目のブレークポイントでゲームを落とした。

 しかし、その2ゲーム後にふたたび自分のサービスゲームを迎えたときには落ち着きを取り戻し、フォアボレーをクロスに放ってマッチポイントをつかむと、ワウリンカのフォアハンドがアウトするのを見送って、勝利をつかんだ。

 第5シードのトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)は、予選勝者で同じくチェコのルーカシュ・ロソルが膝の故障で途中棄権したため、試合を終えずして2回戦に進んだ。ロソルが棄権を決めた時点で、ベルディヒは6-3 2-1でリードしていた。(C)AP(テニスマガジン)