世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)率いるPTPA(Professional Tennis Player…

世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)率いるPTPA(Professional Tennis Players Association、プロテニス選手協会)の動きを「あらゆる手段」で阻止すると、ATP(男子プロテニス協会)選手協議会が声明を出した。英テニスメディアのTennis Headなど複数のメディアが報じている。【関連記事】ジョコビッチ、新組合について「ATPと対立するつもりはない」と強調

ジョコビッチは「利益相反」を理由にATP選手協議会メンバーから辞任し、2020年の夏にバセック・ポスピショル(カナダ)と共にPTPAを発足した。以来、ATPとの対立が続く。男子選手の4分の3がPTPAへの支持を表明しているとジョコビッチは主張しているが、双方の団体が共存できるという点についてはATPを説得できずにいる。話し合いは行われていると報じられているものの、その進展は芳しくない。

今週、新たな動きとしてPTPAはTwitterで声明を発表。NHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)の選手会で役員を務めるアダム・ラリー氏をエグゼクティブ・ディレクターに迎え、ブランドコミュニケーションの専門チームを作り、経営や法務などのスペシャリストを顧問に任命したことにより、組織作りが一歩前進したことを伝えた。PTPAは「選手による選手のための組織」であることを強調し、すべての選手にとって「透明性と公平性」が保たれた競技環境を提供することを使命とした。

これに対してATPも同じ日に声明を出し、PTPAの存続に反対する姿勢を改めて示している。

声明の中でATPは、1972年の設立以来ツアーの整備に尽力してきたことや、選手がすべての決定に対して平等な発言権を得られている点を主張。さらに、最近の事業戦略には、トップレベルのイベントの強化、均等な利益配分、賞金とボーナスプールの増加、監査を通したトーナメント財務の完全な透明性、トーナメント基準の向上、ツアーの長期的な安定性など、プレーヤーに多くの利益をもたらす可能性のある施策が盛り込まれていることをアピールした。

ATPは続けて、PTPAがやろうとしていることは既にATPが進めていることと「明らかに重複しており、選手を分断し、テニスをさらに細分化することになる。細分化はテニスが今後成長していく上で唯一にして最大の脅威である」と批判した。

選手の分断という点においてはロジャー・フェデラー(スイス)やラファエル・ナダル(スペイン)、アンディ・マレー(イギリス)などがATPに留まる意向を示していることに象徴される。彼らの影響力を考えると、ジョコビッチの言うPTPAへの参加率だけでは語れない部分があると言えるだろう。

ATPは「選手とトーナメントの両方のメンバーの利益と、ツアーが支えている多くの生活を守るために、我々の権限によってあらゆる手段を講じ続ける」と強い言葉で声明を締めくくった。

一方で、テニス界の外でも動きが見られた。NBA(ナショナル・バスケットボール・アソシエーション)の選手会であるNBPAは今週、PTPAを支持する声明を公式サイトに掲載。「我々は同じアスリートとして、PTPAを形成するテニス界の仲間と共に立ち上がります。NBPAは、それぞれの競技環境を改善し、前向きな変化を生み出すために団結したすべてのアスリートを支援します」

ATPとの対立が一段と深まったPTPAはどうなっていくのか。良い方向に向かうことを願って、今後の動向に注目したい。

(テニスデイリー編集部)

※写真は選手会代表のジョコビッチ

(Photo by Leonard Zhukovsky / Shutterstock.com)