【UEFA EURO2020 ラウンド16 ウェールズvsデンマーク 2021年6月26日(日本時間25:00キックオフ…

UEFA EURO2020 ラウンド16 ウェールズvsデンマーク 2021年6月26日(日本時間25:00キックオフ)】

 ウェールズにペースを握られていたデンマークは、14分から15分にかけてフォーメーションを変更。センターバックのアンドレアス・クリステンセンを最終ラインから1つ上げてアンカーの位置に配す4-1-2-3にすることで修正を図った。

 効果はすぐに表れた。

 攻撃時の中盤がクリステンセンの「1」とインサイドハーフ+両サイドバックの「4」という作りになったデンマークは、幅を持って前進することで3トップまでボールを運べるようになった。

 ここで面白いのがクリステンセンの扱いだ。多くの場合、このシステムではアンカーを経由してボールが動くが、デンマークのビルドアップはクリステンセンを経由せずに行われた。ピエール=エミール・ホイビュアとトマス・ディレイニーが下りてきてボールを受け、捌き、サイドバックと共にチームを押し上げる。ウェールズは守備のしどころを定められずに試合の行方を握られることになった。

■ウェールズを困惑させ形勢逆転

 ウェールズの困惑は1点目のシーンにも表れた。

 クリステンセンを使わずに前から選手が下りてきてパスを回す、ということをダイレクトプレーを交えながら30秒以上繰り返したデンマークに対し、ウェールズの選手たちは食いつくべきか食いつかないべきかを決められずに少しずつ全体が前に出てきた。ウェールズの最終ラインと中盤の間が広がり、デンマークは縦のパスで一気にそこへボールを進めた。

 急いで戻ってきたMFたちが守備に駆け回り、DFはコースを切ることに努めたが、後手後手になった守備はスペースを次々と生んでしまった。そしてペナルティエリア手前から放たれたシュートがゴール右隅に決まった。最終的にはゴールキーパーから見てボールまでに3人が重なっている形で、反応したものの間に合わなかった。

 クリステンセンを使わないなら放っておけばいいのではないか、と思うが、アンカーというライン間で中央のポジションにいる選手のことを無視するわけにはいかない。クリステンセンもそれを逆手に取り、ホイビュアらが下りてくると彼らがもともといた場所へ上がって相手を引きつける。しかし結局そこは使われない。試合全体で記録された彼のパス数はたった23本だ。ウェールズはさぞ困っただろう。

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