テニス界の若手スター選手の一人、ステファノス・チチパス(ギリシャ)のキャリアはますます良くなる一方だ。先日閉幕した「全仏…

テニス界の若手スター選手の一人、ステファノス・チチパス(ギリシャ)のキャリアはますます良くなる一方だ。先日閉幕した「全仏オープン」では、自身初のグランドスラム優勝にあと一歩まで迫った。決勝まで勝ち進み、世界王者ノバク・ジョコビッチ(セルビア)に対して2セットをリードしたところから逆転負けを喫したのだ。【動画】ジョコビッチ vs チチパス/全仏オープンテニス2021 決勝

チチパスは現在世界ランキング4位で、今年獲得したポイントだけで争うレースでは2位につけている。チチパスによると、彼の人生とキャリアは2016年に死にかけた経験によって良い意味で影響を受けたという。テニス関連ニュースサイトTENNIS TONICが報じている。

2016年に、チチパスは海で友人と泳いでいる時に強い潮流につかまった。二人は流れに逆らおうともがいているうちに疲れ果ててしまった。必死に沈まないように格闘している間に、チチパスの父アポストロス氏が助けに来てくれたのだ。

チチパスはその時、死を受け入れる境地にまで達していたのだと認める。救われたことは彼に新たな目的を与え、「恐れ知らず」になったという。そしてそれはチチパスのキャリアを後押しするものとなった。

この出来事について、チチパスはこう語っている。「もしあの日死ぬことになっていたとしたら、父も一緒に死んでいたかもしれない。父はヒーローだよ。あの日、僕は人生を別の視点から見たんだ。あの出来事の後、心理的にどれほどの変化があったか覚えているよ」

「(2020年のパンデミックの)初めの頃、僕は途方に暮れていた。そんなことは経験したことがなかった。試合から遠ざかり、一つの場所にとどまるということをね。でも僕はそれを、手を広げて新しいことを試す機会だととらえた。そのことについてはこの上なく感謝しているよ。それによって僕は、省察する時間や、物事の違った側面を見る時間を得られた。感情や心の面で、僕はずいぶん成熟したよ」

父のアポストロス氏は、チチパスが12歳の時から彼の試合に付き添って世界中を旅して回っている。このことについてチチパスはこう語っている。「父が僕の隣についていてくれるのはとても光栄なことだ。僕は父を愛している。父は僕を愛している。僕らは12歳の頃からずっと一緒に旅をしてきた。感謝しているよ」

一方のアポストロス氏も、最近行われたインタビューの中でこう語った。「ステファノスといると、僕はずいぶん勉強をしたにもかかわらず、ほとんど何も知らないような気分になるんだ。人はいつだって柔軟な姿勢を保ち、学ぶことをいとわない態度でいる必要がある。ステファノスは私にこんなにも大きな学びの機会をくれた。彼は私にとって最高の大学だったと思うよ」

チチパスは現在ロンドンに滞在し、「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月28日~7月11日/グラスコート)に向けてトレーニングを重ねている。ここでのこれまでの最高成績は、2018年の4回戦進出だ。全仏でと同じように、「ウィンブルドン」でもまた新境地を開くことができるだろうか。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全仏オープン」でのチチパス

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)