19年日本インカレ優勝の田中、社会人として初の日本選手権を終える 東京五輪代表の最終選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権第3日が26日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われた。女子100メートル障害決勝で、田中佑美(富士…

19年日本インカレ優勝の田中、社会人として初の日本選手権を終える

 東京五輪代表の最終選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権第3日が26日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われた。女子100メートル障害決勝で、田中佑美(富士通)は13秒57で6着だった。レース後は「出場しただけ、走っただけの全く戦えない決勝になってしまいました」と振り返った。

 自己ベスト13秒18の田中は、関大一高時代にインターハイを連覇すると、立命大に進学。関西インカレ4連覇、日本インカレでは19年に優勝した。今春から名門・富士通に入社。今大会が社会人として初の日本選手権だった。

 予選は13秒44。「近年まれにみるバカスタートで、人一人分くらい遅れた」とスタートに失敗するも、組2着。準決勝も通過してこの日を迎えたが、13秒09で優勝した寺田明日香(ジャパンクリエイト)らに遅れを取った。

「出場しただけ、走っただけの全く戦えない決勝になってしまいました」とレースを悔やんだ田中。12秒台を出す選手もいる中で「周りのレベルが上がっているのは嫌というほど感じている」と語った。

 他選手の記録はプレッシャーにはならないというが「結果としてタイムや順位が悪くても、自分にとって納得いくレースが今季あまりなかった。自信を無くす一つの要因のようになって、こういうところで力を発揮できなかったのかなと思う」と振るわなかった原因を分析した。

学生と社会人の変化「私個人への応援」

 社会人になって感じる変化としては「私個人への応援」を挙げた。“学校の陸上部”という団体そのものを応援してもらってきた学生時代から、選手個人として応援してもらえるようになったと感じている。

 その変化については「負けても見られるのは、実感として恐ろしいと最近思う」と正直に明かして苦笑い。「でも、そんなことに負けていてはダメ。人のために競技しているわけじゃない。折り合いをつけて頑張っていければ」と話した。

 学生チャンピオンから立場を変えて臨んだ日本選手権を終えた。「今のところ、過去より退化しているレースしかしていない」と課題は大きいようだ。「変え続けると原型が分からなくなるので、(自分を)見つめ直すことが直近ですべきこと」と冷静に振り返っていた。(THE ANSWER編集部)