陸上・日本選手権 東京五輪代表の最終選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権第2日が25日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われた。女子やり投げでは28歳の昨年大会女王・佐藤友佳(ニコニコのり)が54メートル94で8位。東京…
陸上・日本選手権
東京五輪代表の最終選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権第2日が25日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われた。女子やり投げでは28歳の昨年大会女王・佐藤友佳(ニコニコのり)が54メートル94で8位。東京五輪代表入りが極めて難しくなり、試合後に涙を流した。日本記録保持者・北口榛花(JAL)が61メートル49で2年ぶり2度目の優勝を飾り、代表に内定した。
佐藤の投てきは及ばなかった。雨の降った決勝。高校から過ごした大阪の熱烈な応援を受けながら、1投目に挑んだ。しかし、力なく放たれたやりは53メートル09しか飛ばず。3投目は54メートル94に留まり、自己ベストには8メートルほど届かなかった。
「やっぱり五輪に出たいという気持ちで臨んだので、本当に悔しいの一言です」
涙を流し、鼻をすすりながら真摯に取材に応じた。自己ベストは18年日本選手権で記録した62メートル88。東京五輪出場には参加標準記録64メートル00を突破や、好記録で世界ランクなどを基に算出される「五輪出場優先順位」を上げる必要があった。同順位によるこの種目の五輪出場枠は32人で、佐藤は33位。7月1日までに順位を上げなければならないが、今大会の結果では厳しくなった。
不調の原因は右肘痛だった。昨年10月の日本選手権は、北口を2センチ上回る59メートル32で初優勝。4月末の織田記念国際では、寒さと雨の悪条件下で61メートル01の好記録をマークして優勝した。しかし、5月9日の五輪テスト大会でアクシデントに見舞われた。
「試合の時に肘を痛めてしまって、その痛みをこの2か月間で完全に治すことができなかったのが今回の大きな敗因。でも、その痛みを出してしまった原因もトレーニングの中にあったのかなと。4月の織田記念国際で調子がよかったから、自分の中でも肘に無茶をするような動きもあったので、その辺りが後悔しているところです」
目標は明確ではないが「やっぱり世界で戦いたい」
6日のデンカチャレンジ杯を棄権し、日本選手権に専念した。テーピングを巻いて出場したが「痛みが出た時よりはだいぶよくなってきたけど、全力投てきを行うと痛みが出て、今日の投てき時には痛めた時と同じくらいの痛みがありました」と影響した。
「五輪に出て戦うのを目標にしてきて、60メートル以上の記録で安定しなければならないという気持ちで今シーズンを迎えた。この先どうしたいという目標がはっきりはないですが、やっぱり世界で戦いたいという気持ちはまだある。次の五輪や世界大会を目指して今の怪我と向き合いながら調整していきたいなと思います」
19年には世界選手権(ドーハ)に初出場。しばしの休憩を挟み、挑戦心を持って諦めず戦い続ける。(THE ANSWER編集部)