■6月23日/J1第19節 柏レイソル - 浦和レッズ(三協F柏) 前節・湘南戦で2-3の逆転負けを喫した浦和レッズが、…
■6月23日/J1第19節 柏レイソル - 浦和レッズ(三協F柏)
前節・湘南戦で2-3の逆転負けを喫した浦和レッズが、アウェイで快勝だ!
攻撃面ではDF宇賀神友弥とMF柴戸海の2人が得点を奪うと、守備ではカウンターを封じて見事完封。6試合連続出場を果たしていたGK鈴木彩艶が急遽出場資格を得られないという不測の事態にもかかわらず、4戦ぶりの白星を掴んでみせた。
浦和サポーターが入場できない日立台で、チームは完封勝利を手にした。赤いユニフォームに身を包んだ浦和イレブンは、湘南戦から9人のメンバーを入れ替えた中でボール保持を志向。それに対して柏は、ボールを奪って素早いカウンターでチャンスを見出した。公式記録でいえば、シュート数は最初の45分でともに4本ずつだが、対照的な試合展開となった。
ネルシーニョ監督が「前半、ゲームの入りとしては悪くなくて、バランス良くゲーム運びができていた」「良い守備から何回かカウンターでチャンスを作るような機会もありました」と話せば、リカルド・ロドリゲス監督も「すごく良い試合ができたと思います。前半も2つ3つの決定的なチャンスを作れていた」と振り返ったように、互いに狙いを出しながらの展開だった。
ただ、前半は柏の守備が浦和のパスワークに有効だった。前線でリンクマンとして走った武藤雄樹は何度も味方にボールを要求したが、浦和の選手がなかなか出すことができなかったこともその一つの表れだろう。
■ベンチから飛んだ細かい指示
後半に入ってもその流れは変わらなかったが、ゴールにより近く迫ったのは浦和だ。50分、トーマス・デンのパスに抜け出した興梠慎三が裏に抜け出して、GKと1対1になる絶好のチャンスを迎えた。興梠は加速を緩めてシュートモーションをじっくり作るほど余裕があったが、これを外してしまう。あまりの好機を逸したことで、流れをも失うかと懸念されたほどだった。
しかし、61分にリカルド・ロドリゲス監督が打った手が、この試合を決定づけることになる。興梠と武藤の前線の2人を下げて、キャスパー・ユンカーと小泉佳穂を投入したのだ。ここまで公式戦10戦10得点のエースストライカーと、赤い新司令塔がピッチに立つと、ボールの流れがスムーズになり、さらに浦和ペースに試合は進む。そして直後というべき64分、セットプレー崩れから宇賀神友弥がゴールネットを揺らすことに成功したのだ。
1点をリードしたことで余裕ができた浦和は、主導権を握ったまま試合を進める。81分にまたしてもセットプレー崩れから柴戸海が点数を奪ったのも、当然の成り行きだった。
61分の“リカルド・マジック”は試合の主導権を握ったが、実際に点数を奪ったのはセットプレー。しかし、そのセットプレーにも秘密があった。ベンチからは、選手交代の際はもちろん、その都度、セットプレーに対して細かい指示が出ていた。
■「山ちゃん、セットプレーは2-1に変更ね」
具体的な指示はたとえば、「山ちゃん(山中亮輔)、セットプレーは2-1に変更ね」などと、チーム内で共有している数字を使って出したものなのだ。相手チームには理解できないが、セットプレーのキッカーやルールは細かく変わっていたようだった。
それ以外にも、「トミー(トーマス・デン)、ニア!」などと分かりやすい指示も当然出された。戦況を見ながら戦い方を変えた結果が、この日の2点だった。流れの中で主導権を握り、さらにセットプレーも細かく分析。まさしくリカルド・レッズの戦い方だった。
柔軟な戦術の浦和に、新たな司令塔でチャンスメーカーが加わる可能性が高くなっている。この日の対戦相手である柏の10番にしてキャプテンの日本代表MF江坂任がその人物だ。ベンチ外になったこのアタッカーは、浦和にどのようなものをもたらすのか、そのヒントがこの柏戦にも隠されていた。