■6月23日/J1第19節 柏レイソル - 浦和レッズ(三協F柏) 前節・湘南戦で2-3の逆転負けを喫した浦和レッズが…
■6月23日/J1第19節 柏レイソル - 浦和レッズ(三協F柏)
前節・湘南戦で2-3の逆転負けを喫した浦和レッズが、アウェイで快勝だ!
攻撃面ではDF宇賀神友弥とMF柴戸海の2人が得点を奪うと、守備ではカウンターを封じて見事完封。6試合連続出場を果たしていたGK鈴木彩艶が急遽出場資格を得られないという不測の事態にもかかわらず、4戦ぶりの白星を掴んでみせた。
柏と浦和のダービーは、SNS上で“江坂ダービー”と言われて盛り上がりを見せていた。柏の10番にしてキャプテンの日本代表MF江坂任に突如、移籍話が持ち上がったのだ。ここまで16試合2得点と主軸だった江坂が移籍すると噂されているのは、浦和。このタイミングでのまさかの組み合わせに注目度は高く、そのせいか取材に駆けつけたテレビ局の数は通常よりかなり多かった。
江坂任は、今年3月に日本代表デビューした技巧派アタッカーで、左右両利きと言われるほど両足でのキック精度が高い。昨年まで柏に所属していたFWオルンガが、2020年の得点王を取れたのも、その類まれな嗅覚や技術があったことは言うまでもないが、江坂という相棒がいたからこそ、ゴールを量産できたからだ。
江坂は6月19日の広島戦で突然のベンチ外になっており、この浦和戦もメンバー入りしなかった。本人不在の“江坂ダービー”となったのだ。
■中盤での共存で考えられる「いくつかの形」
浦和は、シーズン途中で獲得したデンマーク代表FWキャスパー・ユンカーが柏戦の前まで公式戦10試合10得点とゴール量産体制に入る活躍ぶりで、さらに日本代表DF酒井宏樹、デンマーク人のDFアレクサンダー・ショルツの獲得が決まるなど積極的な補強を進めている。シーズン前に移籍してきた西大伍や小泉佳穂、明本考浩もチームの中心として活躍するなど、赤い悪魔の“新章”を見せようとしている。
そんな中で江坂を獲得するのは、前線での司令塔を小泉に依存していることが要因としてある。連戦を戦ううえで、小泉を毎試合出すわけにいかないが、この試合も、18番が途中出場した61分を境にボール保持に大きな変化が見られたように、その存在感は増すばかりだ。
司令塔としてチームをコントロールできるだけでなく、自ら局面を打開してチャンスをも作れる江坂は、小泉の代役ではない。むしろ小泉のポジションを脅かす存在だ。とはいえ、魅力的なのは小泉との共存のほうだろう。2人が高い位置で絡めば、最前線に構えるユンカーへいい形でチャンスをつなぐ回数は増える。また、小泉がやや下がってビルドアップを助け、江坂が前のほうでチャンスを構築するという縦関係も面白い。さまざまな形で浦和の攻撃力をアップさせる起爆剤となるはずだ。
■生え抜きもポジションを勝ち取る
ユンカーに続き、酒井、ショルツ、江坂(移籍が決まればだが)の3人が主軸の座を掴めば、浦和レッズの姿は昨シーズンから比べて一気に変わったものとなる。一抹の寂しさを感じるサポーターもいるかもしれないが、3か年計画を立ち上げた段階で、浦和は改革を欲していた。その改革が、順調であることを示す何よりの証拠だろう。
惜しくも18人のメンバー入りしなかったものの、東京五輪にサポーターメンバーとして帯同するGK鈴木彩艶が西川周作からポジションを勝ち取るなど、生え抜きの存在感も薄まってはいない。リカルドレッズがどのような軌跡を描くのか。そして、今シーズンの終了時点でどのような立ち位置を掴むのか。“赤い悪魔の新章”は始まったばかりだ。