陸上・日本選手権が開幕、五輪消滅の福島千里「自分の力不足」 東京五輪代表の最終選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権が24日、大阪・ヤンマースタジアム長居で開幕した。女子100メートル予選では、32歳の福島千里(セイコー)…

陸上・日本選手権が開幕、五輪消滅の福島千里「自分の力不足」

 東京五輪代表の最終選考会を兼ねた陸上・トラック&フィールド種目の日本選手権が24日、大阪・ヤンマースタジアム長居で開幕した。女子100メートル予選では、32歳の福島千里(セイコー)が12秒01(追い風0.8メートル)の組5着で上位16人による準決勝に進めず。個人種目での五輪4大会連続出場が消滅した。

 福島は序盤から先行できず、後半も巻き返せなかった。フィニッシュは表情を曇らせた。レース後はオンライン会見に出席。淡々とした表情で心境を述べた。

「どうですかね。まず、日本選手権という舞台、スタートラインに立てた。サポートしてくれた方に感謝しかありません。シーズン最高の舞台でシーズンベストを出せなかったことは、戦略的にも体的にも反省というか、足りないというか、劣っている。出し切れなかった。出し切るにもやり方がある。それができなかったのは自分の力不足。やっぱり2年間この舞台に立てなかったけど、この舞台の大きさ、重要性はわかっているつもり。そこに立てない時もサポートしてくれた方のおかげです」

 6日の布勢スプリントでは1本目に11秒82(追い風2.0メートル)、2本目に11秒78(追い風1.6メートル)をマーク。日本選手権の申込資格記録11秒84を切り、滑り込みで今回の最終選考会にたどり着いた。東京五輪出場には自身の日本記録より0秒06速い11秒15の参加標準記録を切らなければならず、27日で33歳となるベテランにとって厳しい状況だった。

「五輪、世界大会に行くのが当たり前だった。日本選手権の参加標準を切った時に、おめでとうっていう言葉を頂いた。でも、そこで終わりじゃないし、始まりだったのに結果的には一日も持たずに日本選手権が終わるという失態を犯してしまい、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。(今後については)支えてくれる人もいますし、日本選手権前にいろいろ考えている暇もなかった。ここで何かを決められる状況ではない」

 日本選手権100メートル、200メートルでそれぞれ8度優勝し、両種目で日本記録を保持。五輪は08年北京から3大会連続、世界選手権は09年ベルリンから4大会連続出場した女子短距離の第一人者だが、近年は両足アキレス腱痛などの影響で不調が続いていた。今年は4月末の織田記念国際を左大腿筋の肉離れで欠場。復帰した5月15日の東日本実業団選手権は12秒33(向かい風1.8メートル)だった。

 日本は400メートルリレーで五輪出場枠があり、今後の選考次第では福島はリレーでの五輪出場の可能性も残されているが、近年の成績と若手の台頭でメンバー入りは容易ではなくなっている。(THE ANSWER編集部)