はたして東京オリンピックで好成績を収めて、満を持して始まる「WEリーグ」に勢いをもたらすことができるのか。メンバーが発…

はたして東京オリンピックで好成績を収めて、満を持して始まる「WEリーグ」に勢いをもたらすことができるのか。メンバーが発表された「なでしこジャパン」に注目が集まっている。東京オリンピック代表は、長らく女子サッカーを牽引してきたテクニック重視のベレーザ色の濃いチームとなった。一方で、目を転じれば、ダイナミックなサッカーを指向する新しい勢力が台頭してきているのがわかる。2021年なでしこリーグ1部はすでに第12節を迎えている。

■ダイナミックでスケールが大きい堺レデース

 セレッソ大阪堺レディースのサッカーの特徴は、その展開のスケールが大きいことだ。逆サイドにスペースができれば、そのスペースを見逃すことなく、ロングレンジのパスを使ってサイドアタッカーを走らせる。サイドハーフにボールが入れば、サイドバックもオーバーラップ。そして、強いクロスボールを入れて勝負する。トップの選手を狙ったボールも積極的に使ってくる。

 非常にダイナミックでスケールの大きなサッカーと言える。

 また、切り替えの早さもある。ボールを奪われた瞬間にすぐにプレッシャーをかけてボール奪取を試みる……。

 世田谷との試合でも、前半の終了間際に決めた重要な2点はスケール感のある攻撃だった。40分の2点目は中盤で拾ったボールをつないで、松本奈己が25メートル以上あるところからミドルシュートを豪快に決めたものだったし、41分の3点目はMFの高和芹夏が上げたアーリークロスにトップの田中智子が飛び込んで頭で決めたものだった。

 そんな事は当たり前といえば、当たり前のことではある。だが、これまでの日本の女子のサッカーでは、もっと短いパスを丹念につないで相手の守備を崩していくようなサッカーが主流だった。スペースを上手く使うようなパスは、あまり見られなかった。

 そう、それがベレーザ系のサッカーだ。

「男女の違い」について言い立てるようなことは避けることかもしれないが、少なくともサッカー・スタイルとしては男女の違いは間違いなく存在する(していた)。そういう意味で言うと、セレッソ大阪堺レディースの試合を見ていると、「女子サッカー」を観戦しているというより、「(普通の)サッカー」を観戦しているような気持ちにさせられる。

■新リーグの主役か、浦和レッズレディース

 これまで、日本の女子サッカー界の主流だったベレーザ的な、テクニックのサッカー。

 これに対して、この2シーズン立ちはだかっているのが浦和レッズレディースだ。数年前までベレーザの監督だった森栄次氏を監督に迎えてベレーザに対抗するチームを作り上げた浦和。東京オリンピックに向けた代表に抜擢された塩越のように比較的サイズがある選手をそろえて、ダイナミックなサッカーでベレーザと対抗しているのだ。代表に招集されたDFの南萌華やMFの塩越以外にも、FWからサイドバックにコンバートされた清家貴子やMFの柴田華絵など代表に選ばれても不思議のない選手が何人もいる。

 そして、今回ご紹介したようにセレッソの若いチームがスケールの大きな、“男子的な”サッカーで若い優秀な選手を輩出しているのだ。

 もちろん、テクニックを生かしたサッカーは日本の強みなのであり、ベレーザ的なサッカーを否定する必要はない。だが、それだけではなく、ここにきて台頭してきた異なったスタイルのサッカーを組み込むことで、日本の女子サッカーは次のステージに進んでいけるのではないだろうか。

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