【UEFA EURO2020 グループB第3節 フィンランドvsベルギー 2021年6月21日(日本時間28:00キック…

UEFA EURO2020 グループB第3節 フィンランドvsベルギー 2021年6月21日(日本時間28:00キックオフ)】


 2連勝で決勝トーナメント進出を既に決めているベルギーは、この試合でエデン・アザール(以下アザール。※この記事に弟のトルガン・アザールは登場しません)を先発起用した。

 ここまで、大会前のギリシャ戦は出場なし、同クロアチア戦で9分、初戦のロシア戦で18分、そしてデンマーク戦で31分と徐々に出場時間を伸ばしてきた背番号10が、いよいよ先発でピッチに立った。

 ここまでの起用について、アザール自身が前日会見で「僕の状態を上げるプラン」だったと明かし、また「決勝トーナメントになった時にフィットしていることが大切」というコメントも残した。この試合もまたプランの中の1試合であり、調整試合という側面を持つということだ。3戦目でそれができるのは2連勝したメリットだ。

 ただし、いつどこでボールを受けても、そこからキレのあるドリブルでどんどん上がってくる。5年前のEUROでは当たり前だったそんなアザールのプレーは、この試合でもまだ見られなかった。

■3回も骨折した足首

 まだ、ではなく、もうそういうプレーは本人の選択肢にないのだろう。3度も骨折した足首は以前と同じようにはいかない、ということを本人も口にしている。

 しかし、それでもベルギー代表はアザールを選び、10番を与え、4試合を通じたコンディション向上計画を立て実行してきた。

 それはなぜか。

 アザールは以前とは違う形で輝けることを目指し、周りはそれに期待しているからだ。

 ベテランFWがボックス内のポジショニングと一瞬の動きでもう一度輝くことがあるように、試合を見るとアザールが以前とは違う輝き方を目指していることがわかる。

 いつでもどこからでもドリブルをして相手を押し込むということは叶わなくても、前線でのフリーランや効果的なポジショニング、パス、長い距離ではなく限定的なドリブル、そういうものでゴールに絡む働きをすることはできる。

 デンマーク戦ではパス交換の流れからワンタッチでケビン・デ・ブライネのゴールをアシストしたが、その時のアザールは動く側ではなく止まっている側だった。

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