リングサイドで感じた井上の強さ ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級タイトルマッチが19日(日本時間20日)、米ラスベガスのヴァージンホテルで行われ、統一王者・井上尚弥(大橋)が挑戦者のIBF1位マイケル・ダスマリナス(フィリピ…

リングサイドで感じた井上の強さ

 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級タイトルマッチが19日(日本時間20日)、米ラスベガスのヴァージンホテルで行われ、統一王者・井上尚弥(大橋)が挑戦者のIBF1位マイケル・ダスマリナス(フィリピン)に3回2分45秒TKO勝ちした。試合会場で観戦したWBC王者ノニト・ドネア(フィリピン)は井上攻略の鍵を披露している。米メディア「ファイトハイプ」公式YouTube内で語っている。

 圧勝劇をリングサイドで見つめた。井上は2回2分過ぎに左ボディーでダウンを奪う。そして、3回残り40秒頃に再び左ボディーが炸裂させると、ダスマリナスは悶絶した。なんとか立ち上がったが、再開直後も左ボディーを打ち込み、試合を終わらせた。

 試合後には笑顔で井上を称えていたドネアは「自分もあのショットを以前受けているんだ。どれだけ痛いのかわかっている」と振り返っている。

 2019年11月のワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)決勝で井上に判定負けを喫したドネアは、11回に井上の左ボディショットに被弾。百戦錬磨の男も堪え切れず、この試合唯一のダウンを喫した。モンスターのボディの恐ろしさは身をもって知っている。

 一方で、圧倒的な強さを見せた井上に対して、リベンジするための鍵は存在すると語る。

2年前と比べ「今日の彼の方が強くなっている」

「イノウエにはパワーがある。だから、パワーを押し除けるための勇気が必要なんだ。例えるなら台風の目のようなものだ。そこに飛び込まないといけない」

 前回対戦で得意の左フックを着弾させたドネアは、井上に鼻骨と右眼窩底の骨折という大怪我を負わせた。モンスターのパワーの脅威を「タイミングと距離」で対抗すれば、台風の目と呼ぶ攻略のチャンスにたどり着くとドネアは主張していた。

「彼(井上)が優位性を見出すとすれば、パワーが鍵になるだろう。今日の試合でも見たようにね。素晴らしいパンチャー」と力説していたドネア。「今日の彼の方が強くなっている。それだけのパワーを見せつけた。今日はすごく良かったと思う」と2年前からモンスターの進化も口にしていた。

 ドネアは8月14日にWBO王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)と対戦予定。勝てば井上との対戦に大きく前進する。(THE ANSWER編集部)