夏の牝馬重賞、GIIIマーメイドS(阪神・芝2000m)が6月20日に行なわれる。 牝馬のハンデ重賞とあって、波乱の多…

 夏の牝馬重賞、GIIIマーメイドS(阪神・芝2000m)が6月20日に行なわれる。

 牝馬のハンデ重賞とあって、波乱の多いレースだ。実際、過去10年の結果を振り返ってみても、7番人気以下の伏兵が5勝、2着7回、3着3回と頻繁に馬券圏内に入っており、3連単では10万円以上の高配当になったことが8度もある。

 まさにオイシイ馬券を狙うには、絶好のレースと言える。そして今年も、絶対的な存在がおらず、荒れる可能性は大いにある。そこで、過去10年の結果を参考にして、今回のレースで高配当をもたらしてくれそうな馬を探し出してみたい。

 過去に波乱を演出した馬の傾向を見てみると、大まかに2つのパターンがあることがわかる。

 まずひとつは、3歳時に牝馬三冠レースの前哨戦で馬券圏内(3着以内)に入って、本番でも好走したり、注目を集めたりした馬が、近走の不振、あるいは条件戦を勝ち上がったばかりで低評価に甘んじるなか、激走を果たすパターンである。

 2011年に7番人気で2着となったブロードストリートをはじめ、2013年に7番人気で勝利したマルセリーナ、同年に10番人気で2着と好走したアグネスワルツ、2015年に8番人気で快勝したシャトーブランシュ、2016年に6番人気で勝利したリラヴァティ、同年に5番人気で3着に入ったココロノアイ、2017年に6番人気で3着に入線したアースライズ、2018年に10番人気で金星を挙げたアンドリエッテ、2019年に5番人気で3着と奮闘したスカーレットカラーなど、その例は数多い。

 とすれば、今年も同様のパターンの馬を狙うべきだろう。その候補となるのは、アブレイズ(牝4歳)、サンクテュエール(牝4歳)、シャドウディーヴァ(牝5歳)、パッシングスルー(牝5歳)、フィリアプーラ(牝5歳)。いずれも、牝馬三冠の前哨戦で勝つか、連に絡むなどの勝ち負けを演じて、本番でも多少なりとも注目された馬たちだ。

 どの馬も過去例にハマるため、無視できない存在と言えるが、「近走不振」という条件を重視すれば、パッシングスルー、フィリアプーラがより過去例に近い存在となる。



マーメイドSでの大駆けが期待されるパッシングスルー

 パッシングスルーは、3歳秋にGI秋華賞(京都・芝2000m)の前哨戦となるGIII紫苑S(中山・芝2000m)を制覇。しかしその後は、重賞戦線で勝ち星を挙げられず、厳しい戦いが続いている。

 フィリアプーラも、3歳時にGIIIフェアリーS(中山・芝1600m)を勝利したが、牝馬クラシックでは振るわず、以降も重賞戦線でなかなか結果を残せないでいる。

 そうなると、ともに人気薄は必至。それでも、重賞勝ちがあり、地力があるのは確か。馬の状態やレース展開次第では、過去の激走馬と同じく高配当を演出するような奮闘を見せてもおかしくない。

 もうひとつのパターンは、軽量格下馬の好走である。なかでも、前走で1000万下(現2勝クラス)を勝ったばかりの馬の台頭が目立っている。

 いい例となるのは、2012年に1番人気で勝利したグルヴェイグ、同年に7番人気で2着と好走したクリスマスキャロル、2014年に13番で2着に突っ込んできたコスモバルバラ、2017年に6番人気で3着となったアースライズ、2019年に10番人気で2着と健闘したレッドランディーニらがそうだ。

 軽量ハンデのうえ、前走を勝って勢いがある。また、実績で勝るライバルたちが夏場のレースとあって、必ずしも本調子でないこともあるのだろう。そうした状況にあって、下剋上が頻繁に起こっているのだ。

 そして今回も、2勝クラスを勝ったばかりの軽量馬が2頭出走する。キングスタイル(牝4歳)とホウオウエミーズ(牝4歳)だ。過去のケースからして、それぞれ大駆けを遂げる可能性は十分にある。

 また、軽量格下馬の好走という点では、前走の1600万下(現3勝クラス)で3、4着だった馬の好走も目立っている。

 例えば、2015年に8番人気で勝ったシャトーブランシュ、2016年に7番人気で2着に入ったヒルノマテーラ、2018年に10番人気で1着となったアンドリエッテ、2019年に7番人気で快勝したサラス、2020年7番人気で勝利したサマーセントらである。

 今年のメンバーで、同様のパターンで浮上するのは、クラヴェル(牝4歳)だ。前走、3勝クラスのシドニートロフィー(5月22日/中京・芝2000m)で4着となっており、過去例にピタリと合致する。同馬も51kgという軽量を生かして、大穴をあけても不思議ではない。

 荒れることが当たり前と言えるほど、マーメイドSは波乱の連続である。おそらく今年も思わぬ伏兵馬の激走が見られるに違いない。その候補がここに挙げた5頭の中にいるかもしれない。