闘将を熱くさせた芸術弾を選出、5月は「無駄を省いた高難易度の芸術弾」 サッカー界で最も熱い男が選んだ、漢を感じる熱いプレ…
闘将を熱くさせた芸術弾を選出、5月は「無駄を省いた高難易度の芸術弾」
サッカー界で最も熱い男が選んだ、漢を感じる熱いプレーとは。
J1で首位を走る川崎フロンターレのU-24日本代表MF田中碧が、5月22日の横浜FC戦で、鋭いターンから華麗なシュートを叩き込んだ。2019年限りで現役引退した元日本代表DF田中マルクス闘莉王氏は、スポーツチャンネル「DAZN」のパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」との企画で、5月のJリーグの「月間最熱モーメント」にこの芸術弾を選出。「THE ANSWER」のインタビューで闘莉王氏は田中を次世代の元日本代表MF遠藤保仁(ジュビロ磐田/J2)と評価。日本屈指の司令塔の後継者になり得る存在と分析している。
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「最近チェックしている選手。川崎の調子もいいけれど、彼は日本の若い世代を背負っていくタレント。あの反転シュートは簡単に決まるものではない」
2019年に現役を引退後、公式YouTubeチャンネル「闘莉王TV」で故郷ブラジル生活やサッカーの魅力をたっぷりと届けている闘莉王氏。絶賛したのは東京五輪を目指す世代別代表では、心臓部として躍動する田中の芸術弾だった。
前半28分、相手GKのキックミスに反応。こぼれ球を鋭い反転で手中に収めると、左足でゴール左隅にコントロールショットを沈めた。一切の無駄を省いた一撃の難易度は高いという。
「(背を向けた体勢で)ゴールを見失ってもおかしくない。あれぐらい見えなくても、センスがある。どこにシュートコースがあるか、見てなくてもはっきりと頭の中で整理されている印象です。やっぱり、他の選手よりもレベルが上に来ている」
最大の長所は「結局難しいプレーをしない」こと
五輪代表戦のテレビ解説でも闘莉王氏は若きゲームメーカーを常々評価しているが、レベルの違いはどこに存在するのだろうか。
「クレバーな部分。彼は特段スピードがあるわけではないし、ドリブルがものすごくうまいわけではない。その代わりに、タイミングが本当にいい。何のタイミングかと言えば、この局面でパスを出すか、ドリブルをするか、前に入るのか。選手が入れ替わるタイミングを読める。パスを受ける時に顔を出すタイミングもいい。ここに顔を出せば、パスが出てくるというポイントが分かっている」
次の局面を読み、最善のプレーを選択できる知性こそが、22歳田中の長所と闘莉王氏は分析している。
「結局難しいプレーをしない。それは、すごいポイント。遠藤選手のようなイメージ。『本当にこんなに簡単にサッカーはできるの?』というぐらい、難しいプレーをする必要がない。田中選手を見ていても、ヤットの姿を思い出す。あまり難しいことをしないし、する必要がない」
日本代表通算152試合出場15得点、そして、J1史上最多試合出場記録を保持するレジェンドの遠藤と田中の成長曲線を重ねていた闘莉王氏。
「彼の今後の成長を楽しみにしている。さらにいろいろな引き出しを身につけることを期待している。遠藤のような伝説のボランチにまでにたどり着いてほしい。それぐらいの能力はある。簡単な道ではないが、乗り越えられる力はあると思う」
日本サッカー界の闘将として知られた男は次世代の日の丸を牽引するゲームメーカーの開花に大きな期待を寄せていた。
■田中マルクス闘莉王
1981年4月24日生まれ、ブラジル出身。渋谷教育学園幕張高を卒業後、2001年にJ1広島でプロデビュー。06年に浦和のリーグ初優勝に貢献し、同年のJリーグMVPに輝く。07年にACL優勝、名古屋移籍後の10年に自身2度目のJ1制覇。03年の日本国籍取得後は日本代表としても活躍し、04年アテネ五輪、10年南アフリカW杯に出場。日本代表43試合8得点の成績を残した。19年12月にJ2京都で現役引退。現在はブラジルで実業家として活動する傍ら、公式YouTubeチャンネル「闘莉王TV」も話題に。(THE ANSWER編集部)