【UEFA EURO2020 グループC第2節 オランダvsオーストリア 2021年6月17日(日本時間28:00キック…

UEFA EURO2020 グループC第2節 オランダvsオーストリア 2021年6月17日(日本時間28:00キックオフ)】

 現在、オランダ人選手で最大のスターは、リバプール所属のDFフィルジル・ファン・ダイクだ。

 しかし、昨年10月に負った右前十字靱帯断裂という大怪我は未だ完治せず、2014年のワールドカップ以来久しぶりの国際大会本戦参加となったオランダは、絶対的な守備の要でありキャプテンでもある彼を欠くことになった。

 しかし、オランダには守備の要になれる存在がもう1人いる。ユベントスに所属しているマタイス・デ・リフトだ。

 彼は今大会の1戦目を怪我で欠場。その1戦目、オランダはウクライナとの打ち合いを制したものの、不安定さは否めず、上位まで進出してくるチームではない、という印象を受けた。

 ところが、このオーストリア戦で背番号3が最終ラインに復帰した途端、チームは安定感を取り戻した。

 チームが変わるのは、デ・リフト自身のプレーが素晴らしいということが大前提にある。

 たとえば、27分にはクリストフ・バウムガルトナーのシュートに対し、ボールとゴールの間にポジションをとっていたデ・リフトがその位置からまったく動くことなく頭を差し出してブロック。それがDFとして当然の務めであることは間違いないが、その堂々とした姿勢は、チームの士気を高めるものだった。

■あわただしい状況も万全にこなした

 その僅か1分後には、ビルドアップの途中でボールを奪われショートカウンターを受けると、最終的にボールはマルセル・ザビッツァーからバウムガルトナーへ。最終ラインにはデ・リフトとステファン・デ・フライの2人がいたが、その中央にスルーパスを出されてペナルティエリアに侵入され、キーパーとの1対1を迎えようとしていた。

 しかしここでデ・リフトが全力で戻りながら、スライディングでボールをそらすことに成功する。全速力で戻りながらのプレーとなったことや、ペナルティエリアの中であるということ以外に、相手が自分から逃げていく方向にトラップをしたということもあったが、正確無比な体の入れ方とタイミングでボールだけに触ってみせた。

 スライディングすることには、チャレンジ、という言葉を使うこともあるが、このプレーは慌ただしい状況にもかかわらず、決してチャレンジとは呼べない万全なものだった。

 そうして、個人レベルのプレーで危機を救うことで、チームは安定感を増す。

■デ・リフトの存在が大きい

 デ・リフトがいるから、デ・フライやダレイ・ブリント、ナタン・アケら最終ラインの選手たちは攻守で積極的に前に出てチャレンジすることができる。そうなるとフレンキー・デ・ヨングが中央でボールを受けてからターンをして自ら前に運ぶ場面も増え、ジョルジニオ・ワイナルドゥムが流動的に動き回り、FW陣が前でプレーして良さを発揮しやすくなる。

 良い攻撃は良い守備から、という言葉通り、デ・リフトの存在が全てを好転させてくれる。ファン・ダイクが不在の中、その存在感はとてつもなく大きい。

 19歳でアヤックスのキャプテンを任され、デ・ヨングらとCLで快進撃を見せたデ・リフトは、貫録のあるプレーを連発しているがまだ21歳だ。今後10年はオランダ代表に安定をもたらしてくれる。7年ぶりに檜舞台に立ったオランイェの未来は明るい。

■試合結果

オランダ 2―0 オーストリア

■得点

11分 メンフィス・デパイ(オランダ)

67分 デンゼル・ダンフリース(オランダ)

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