今季中日から派遣され、古巣パドレスの3Aのコーチに加わった大塚晶文氏。その奮闘ぶりが現地で特集されている。地元紙「サンディエゴ・ユニオン・トリビューン」電子版が「元パドレス救援投手アキノリ・オオツカが3Aのブルペンコーチに」との見出しでレポ…

今季中日から派遣され、古巣パドレスの3Aのコーチに加わった大塚晶文氏。その奮闘ぶりが現地で特集されている。地元紙「サンディエゴ・ユニオン・トリビューン」電子版が「元パドレス救援投手アキノリ・オオツカが3Aのブルペンコーチに」との見出しでレポートしている。

■古巣で歓迎受ける大塚氏、かつての名クローザーも敬意「アキは常に勉強熱心」

 今季中日から派遣され、古巣パドレスの3Aのコーチに加わった大塚晶文氏。その奮闘ぶりが現地で特集されている。地元紙「サンディエゴ・ユニオン・トリビューン」電子版が「元パドレス救援投手アキノリ・オオツカが3Aのブルペンコーチに」との見出しでレポートしている。

 昨年末に中日からパドレス傘下3Aの投手コーチとして派遣されることが発表された大塚氏はメジャー時代の2004年、05年の2シーズン、同球団に所属。特に1年目は際立った成績を挙げ、73試合に登板。7勝2敗、34ホールド、2セーブ、防御率1.75をマークした。45歳となった大塚氏は今年からその古巣でコーチを務めている。

 指導者となってパドレスに戻ってきた元救援右腕に地元メディアも注目。特集記事を組み、その取り組みについてレポートしている。

 記事の中でパドレスのA・J・プレラーGMは「彼は多くの検討材料を持ってきてくれる。我々は違う球団や違う組織と良い関係を持ち、南米の野球や極東の野球から学ぼうとしている。アキは明確に日本とアメリカで成功した人物だ」とその存在を高く評価している。

■パドレスGM「彼は今年2つの帽子をかぶる」

 記事では周囲の大塚評も紹介。パドレス時代にともにブルペンを支えたメジャー通算601セーブの名クローザー、トレバー・ホフマンは「アキは常に試合に勉強熱心で、ここに来る前から明確な理解が出来ていた。彼はとても謙虚な人間で、ハードワーカーだ」とコメント。また、ダレン・バズリー投手コーチも「彼は米国の野球を学びたがっていて、基本的には同じだけど、それでも多くの質問をしてくる。誰彼問わずね。トレバーに聞いて、私に聞いて、あそこのブルペンコーチにも聞いて。そうやってたくさんの情報を集めているんだ」とその熱意溢れる姿勢について語り、「アキとは良好な関係を持たないことが難しい。彼はそういう素晴らしい人間だ。でも必要な時があれば、厳しくもなれる。良いコーチになれると思うよ。間違いない。とっても、とっても良いコーチだ」と評している。

 また、プレラーGMは記事の中で中日との関係性についても言及。「ドラゴンズは彼に2つの目的を果たさせたくてここに来る機会を与えたと思う。我々の有望株を助けてくれることに加えて、恐らく彼らにとってより重要なことは、3Aパシフィック・コーストリーグの選手を見てスカウティングすることだ。だから彼は今年2つの帽子をかぶることになるだろう、中日のために働きながら、我々の一員として帯同する。我々にとってナイスな提携だ」と語っている。

 社会人からドラフト2位で近鉄に入団後、中日、パドレス、レンジャーズ、そして日本の独立リーグと渡り歩いてきた右腕。NPBで7シーズン、MLBで4シーズンプレーし、2006年のWBCでは日本の世界一にも貢献した。その豊富な経験は2015年からスタートさせた指導者人生にも生きており、今回訪れた古巣でも大きな歓迎を受けている様子。今回の特集の中で「中日ドラゴンズがここで指導する良い機会を与えてくれました。全てを学びたい。指導方法から会議まで。監督かコーチになりたいんです」と話している大塚氏。日米で実績を積んだ45歳の今後の活躍が注目される。