【UEFA EURO2020 グループF第1節 フランスvsドイツ 2021年6月15日(日本時間28:00キックオフ)…

UEFA EURO2020 グループF第1節 フランスvsドイツ 2021年6月15日(日本時間28:00キックオフ)】

 フランスのMFポール・ポグバには、試合によって異なる印象を与えられる。

 守備でも、その状況把握能力は際立っていた。

 38分にイレギュラーな展開からイルカイ・ギュンドアンにシュートを打たれた場面では、最後に滑り込んでプレッシャーをかけたのがポグバだった。

 他にも、40分に中央からの攻撃が失敗に終わった直後、マヌエル・ノイアーから左サイドバックのゴンゼスにパスが出たところに駆け寄り、蹴れるコースを限定させると、そこからのボールをエンゴロ・カンテがかっさらって再び攻撃の時間としたり、81分にはリロイ・サネが加わって終盤の猛攻を開始しようかというところでトニ・クロースからのボールをカットして勢いに乗らせなかったりと、流れを左右しそうな場面でポグバの存在は目立っていた。

 この攻守の様子からわかるのは、ポグバはその試合状況に相応しい振る舞い方をして勝負どころを見逃さない選手だという本質がある、ということだ。だから様々な顔を見せる。

■精神面でも欠かせない存在

 また、精神的な部分でもその存在は欠かせない。キャプテンのウーゴ・ロリスがチームを引き締めているが、放っておけば内部崩壊しかねない個性派軍団を繋いでいるのはポグバだ。

 この試合ではプレー中もドイツの次の展開を手で示して全体の動きを共有させていたし、試合後はビブスを着ている選手にも1人ずつ言葉をかけながらハグを交わしている。プレーだけでなく、そういう状況把握能力も優れている。

 ディディエ・デシャン監督が「メリットとデメリットをたくさん議論した」と経緯を語っているベンゼマの復帰や、大会前にムバッペとオリビエ・ジルーの関係が悪化したことなど、上手くいかなくなった時の不安要素は内在しているが、結果が出ればそういうことは問題ではなくなる。

 1戦目、しかも死のグループの行方を左右するドイツとの大一番は、グループリーグの行方だけでなく、そういう部分でも引き分けではなく勝つことが必要だった。

 この1勝はレ・ブルーにとってチームが1つになって戦っていくために何よりも大切なもので、その立役者がポグバだったことは必然だった。

■試合結果

フランス 1―0 ドイツ

■得点

20分 オウンゴール

いま一番読まれている記事を読む