ALSOKぐんまアリーナで行われた「令和3年度関東高等学校女子バスケットボール大会 第75回関東高等学校女子バスケットボール…

 ALSOKぐんまアリーナで行われた「令和3年度関東高等学校女子バスケットボール大会 第75回関東高等学校女子バスケットボール選手権大会」。昭和学院高校(千葉県)は3戦全勝で大会を終えた。

 今年4月、ENEOSサンフラワーズに入団した三田七南から昭和学院の背番号4を引き継いだのは西ファトゥマ七南(3年)だ。

 174センチのシューティングガードで、昨年から機動力とダイナミックなプレーで勢いを与える存在。鈴木親光コーチからは「器用な選手なので、ポイントガードでもプレーしてもらいたい」と成長を期待されてきた。

 しかし今年、指揮官にファトゥマを新主将に据えた理由を尋ねると、「ファトゥマが一番気持ちの面で甘いので、責任感を持たせようと思いました」と辛口なコメントが返ってきた。

 本人に話を聞いても、「プレーでも声かけでもしっかりキャプテンとして引っ張ろうと意識していたのですが、周りのみんなに助けられてばかりで自分がもっとしっかりしなきゃいけないなと思いました」と、自分の不甲斐なさを悔やんでいた。

 もっとも、ファトゥマはケガから復帰したばかりであり、この関東大会が新チームになって最初の実戦だったという。そのためベンチスタートではあったが、いざコートに立てば得点とリバウンドでチームに貢献した。

 試合中も声で仲間を鼓舞しなかったわけではない。ただ、負傷明けで本来のプレーができなかったからこそ、ファトゥマはそれ以外の行動で、もっとキャプテンらしく振る舞いたかったようだ。

 チームメートの田嶋優希奈(3年)は「キャプテンに限らず一人ひとりが声を出して、全員でチームを作るという意識で取り組んでいます」と述べたが、「先生には練習中から『キャプテンがそれでどうするんだ』とか、行動面でも指摘されています。これからしっかり自分で考えて行動できるように意識していきたいです」とファトゥマの意思は固い。

 今年の3年生は下級生の頃から主力を担ってきた選手が多く、指揮官も「能力はそこそこある」と認める一方、「まだメンタル面が下級生のまま」と気持ちの弱さに苦言を呈している。

 昭和学院が目標の全国制覇を成し遂げるには、新キャプテンが“真”のキャプテンになれるかが1つのガギになるだろう。今年のキーマンは、西ファトゥマ七南だ。

写真・文=小沼克年