熱い男の魂を引き継ぐ。昨年で現役を引退した小松聖2軍投手コーチから背番号28番を背負うことになったオリックス・塚原頌平投手。中継ぎとして頭角を現してきた24歳の若武者は今季、リリーフエースの座を奪いにいく。■今季から「28」背負うオリックス…

熱い男の魂を引き継ぐ。昨年で現役を引退した小松聖2軍投手コーチから背番号28番を背負うことになったオリックス・塚原頌平投手。中継ぎとして頭角を現してきた24歳の若武者は今季、リリーフエースの座を奪いにいく。

■今季から「28」背負うオリックス塚原「今年は勝負の年」

 熱い男の魂を引き継ぐ。昨年で現役を引退した小松聖2軍投手コーチから背番号28番を背負うことになったオリックス・塚原頌平投手。「小松さんの背番号を汚すわけにはいかない。気持ちで投げる部分は自分も同じ。今年は勝負の年なのでこれを機にもっと成長したい」。昨年は54試合に登板し4勝1敗、13ホールド、防御率2.67とキャリアハイの成績を残した。中継ぎとして頭角を現してきた24歳の若武者は今季、リリーフエースの座を奪いにいく。

 2010年にドラフト4位で入団し背負ってきた背番号は59。2年目の2012年には先発としてプロ初勝利もマークした。早くから1軍を経験し順風満帆に見えたプロの世界だったが、その後はケガに苦しんだ。12年オフに右肘の手術を受けた影響で13、14年は1軍登板がなかった。

「自分の中でもそろそろ、やばいなと思った。このままいけばユニホームを脱ぐことになるなって。その時の苦しい時期に一番、小松さんが話を聞いてくれた」

 2年間もの2軍暮らしが続いたが『頑張れ』、『まだできる』といった優しい言葉は一切なく、そのほとんどが叱咤激励の言葉だった。

■1度は断った背番号変更、兄貴分の引退を知り志願

「自分は褒められて育つタイプじゃないから(笑)。『このままじゃダメだよ』とかそういった言葉に燃えるタイプ。やるだけやって無理なら諦めが付くし、最後の1年と思ってとにかく、がむしゃらに腕を振ってやろうと思った」

 背水の陣で挑んだ2015年。3年ぶりの1軍登板を果たすと、中継ぎとして41試合に登板し復活を果たした。

 背番号変更の打診を受けたのは昨年の夏頃。当時は小松が現役引退することを知ることもなく、まさか28番とは思ってもいなかったため「いいです。今のままで」と1度は断った。だが、シーズン終盤に兄貴分の引退を知る。球団から再度打診があった時には迷わず「付けさせてください」と自ら志願した。

 オリックスの28番は星野伸之(現1軍投手コーチ)も付けたエース番号でもある。「周りの人からは球が遅くなるぞって言われましたけど(笑)。28番は星野さん、小松さんが守ってきた番号。僕もいつか28番の一人になりたい。やるしかないですよ」。先輩たちの思い胸に塚原の2017年はスタートする。