ヨーロッパで移籍先を探す岡崎慎司 シーズン終了とともにウエスカ退団を発表した岡崎慎司。35歳というベテランになった今、移…

ヨーロッパで移籍先を探す岡崎慎司
シーズン終了とともにウエスカ退団を発表した岡崎慎司。35歳というベテランになった今、移籍先探しが難航することを自身も予想している。
SNSで「懲りずに挑戦し続けます」とファンにメッセージを送った岡崎が、今後向かおうとしている未来とはどんなものなのだろうか。話を聞いた。
――スペイン1部の結果と、そこで得た手応えを含め、今後についてどのように考えていますか。
もちろんスペイン1部で1ゴールしか取れなかったことは、まったく納得していません。しかし強がりになってしまうかもしれませんが、スペイン1部は厳しいリーグでも、やれないことはなかったです。どのリーグでもそれなりに苦戦しましたし、そこに長くいることによってそのリーグに慣れていきました。今回は2部から1部に昇格し、1年で結果を出さなくてはいけないという厳しさもありました。
この結果について、いろんな人たちが考察すると思います。レスターの時もそうでしたが、「FWとして5得点じゃ物足りないよね」という評価もありました。結果が出ないと評価されないのが、僕らがいる世界です。幸いなことに、今回のスペインでの結果、その評価を僕自身が覆すことができる立場にいる。それが楽しみですね。
――35歳という年齢のこともありますが、今後の移籍についてさまざまな困難があると思いますが......。
困難が待ち受けていることは覚悟しています。スペインに来た時は2部のマラガからウエスカに行くことになりましたが、あの時に「自分が築いてきた実績や評価ってたいしてなかったんだな」と受け入れました。だったら移籍した先で、その評価を自分の力で変えてやると思うようになりました。
――移籍先について海外、日本さまざまな選択肢があると思いますが、どんな希望がありますか。
海外移籍して10年になりますが、ヨーロッパに長くいることによって、気持ちが変わった部分があります。いつかは日本でやりたいと思っていた気持ちはなくなって、やっぱりこのヨーロッパが、自分がボロボロになってでも戦う舞台だと思っています。その意味では覚悟は決まっています。どこからでも這い上がる気持ちはあります。
ただ間違ってほしくないのは、日本のレベルが低いからという意味ではありません。Jリーグはヨーロッパよりもレベルが高い部分もあります。そこに合わせるのは簡単なことではないです。「たいして俺はできないぞ」なんて気持ちもあるので。それに、みんなが思っているほど海外にとどまることは、かっこいいことではないんですよ。
――1年ほど前にはイタリアでもやってみたいという思いをお持ちでしたが、今はどうでしょうか。
一番行きたいところはやはり4つめのリーグということでイタリアですね。ただそうも言っていられないこともわかっています。自分のやれる場所があるのであれば、そこでもう一回やっていきます。
でも1部でやりたいなという気持ちはあります。イタリアであろうが、スペインであろうが、イングランド、ドイツでも、話があれば全力で決めに行くだけですね。
――1年の重みは年を追うごとに変化してきていますか。
そうですね。家族のことも考えます。子供が中学生と小学校の高学年になるんですが、引っ越しで環境が変わってしまうと、そこに慣れるのに大変な年齢になってきました。自分の移籍が家族の問題に直結してしまうんです。
だから家族は「どこに行くの?」と心配しています。でも「この結果じゃ行きたいところに行けないよ」と、正直に話しています。
――最近は指導者の本も読まれているそうですが、それはどんなきっかけからでしょうか。
これまでいろんなタイプの監督に会ってきました。監督と選手ってお互いの意見が合わないことがよくあります。選手として疑問に思うことは、監督になればわかるんだろうなと思っていました。それを知りたかったんです。自分が監督だったらどうするだろうと。
選手は監督によって、よくなったり、大きく成長したりしますし、その逆もあります。そう思うと、監督の仕事がすごく魅力的に感じるし、それだけの責任もあるなと思います。選手としての経験や苦しみもすべて味わった中で、これまで培ってきた経験から一つ一つ決断していく。指導者になったら、そこに全力を注いでいけるかなと思います。だから指導者への興味はありますし、次の舞台は監督だなと思います。
――現役引退について考えることはありますか。
どういう終わり方をするかというのは、よく考えますね。サッカーをすることはとてもエネルギーを使います。毎日練習を行なう中で、芯の部分をはっきり持っていないと継続することは難しいです。
ただ今は、選手として「あいつすごかったな」というレベルまで行っていないと思っているし、「みんなの予想を超える結果を出せるはず」と思えるエネルギーもあるので、選手は続けていきます。この芯となる部分がなくなったら、僕は辞めるだろうなと思います。
また、今は指導者にも興味がわいてきているので、指導者になりたいという思いのほうが強くなったら、スパッと辞めたいと思います。動きについていけなくて「これは無理かな」と思ったときも辞めどきですね。
――最後に日本のファンのみなさんに、これだけは伝えておきたいということはありますか。
僕は生き方を一つに定めたいと思っています。これまで10年間、サムライ魂を持ってヨーロッパで戦ってきたので、引き続きヨーロッパで戦う姿を応援してもらえたらうれしいなと思います。
(前編を読む)>>
【Profile】
岡崎慎司(おかざき・しんじ)
1986年4月16日生まれ。兵庫県出身。2005年に清水エスパルスに入団し、主力として活躍すると、11年にシュツットガルト(ドイツ)に移籍し、13年にはマインツに戦いの場を移す。2シーズン連続で二桁得点を記録すると、15年にはレスター・シティ(イングランド)へ。すぐにレギュラーの座を獲得するとクラブ初のリーグ優勝に貢献した。19年にスペイン2部のウエスカに移籍し、チーム最多の12得点を決め1部昇格の原動力に。20年12月にはスペイン1部でも得点を決め、欧州3大リーグで得点を決めた初の日本人選手となった。日本代表119試合出場50得点。